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第170回 シアトル・マリナーズ 岩隈 久志 投手2014年02月10日

【目次】
[1]オフの体幹トレーニングが2013年の活躍を生んだ
[2]自分のためと思えばモチベーションは上がる
[3]投手必見!冬の肩の作り方
シアトル・マリナーズで2年目のシーズンとなった2013年、岩隈 久志投手はメジャー移籍後初の二桁勝利となる14勝を挙げました。防御率2.66はリーグ3位。1イニングあたりの投球数はリーグ1位の14.12と、少ない球数で相手打者を次々と打ち取る投球は、日本のみならずアメリカの野球ファンにも驚きと興奮を与えました。また、開幕から18回連続無四球を記録するコントロールの良さや、23回連続無失点の安定感で、チームの大黒柱として大活躍。そんな実りあるシーズンを過ごした岩隈選手に、MLBで結果を残せた理由や、高校球児がすぐにでも真似したい冬のトレーニングについてお話を伺ってきました。
オフの体幹トレーニングが2013年の活躍を生んだ
――大活躍の2013年。改めてシーズンを振り返っていかがでしたか?

シアトル・マリナーズ 岩隈久志選手
岩隈 久志投手(以下「岩隈」) すごく充実したシーズンでした。2年目で、自分のポジションを1年間守りたいという気持ちがあって投げた結果、それが結果になって繋がってきたので、本当に自信になった1年だったと思います。
――どうしてここまで結果を残せたと思いますか?
岩隈 一つは、1年目である程度やり方をつかんでこられた経験値があったので、これを2年目に生かしながら最後まで継続して行けたということがあるんだと思います。
その中でオフシーズン、体幹トレーニングで体をしっかり作ったということもあると思います。ピッチャーだったら走ってばっかりとかウエイトして、とか多かったんですけど、それをちょっと変えてランニングを増やすよりも体幹トレーニングをちょっと加えて、など。
地味にやりながら下半身のトレーニングも入れたり、走るというよりはそういうことをやりながら、あとはジャンプ系を取り入れました。
ジャンプは足首だけで跳ぶよりも、お腹から全体から跳んでいくようなイメージを作って、つながっているようなイメージを作りながら、跳んでいきます。もし、何か器具を使いたい場合は、縄跳びで50回とかでも良いですね。
――ジャンプですか。器具も使うとしても縄くらいですし、すぐ出来そうですね。
岩隈 そう。大掛かりじゃなくていいんです。高校生は実際すごい身体能力あると思うんですよね。なんでもできる。でも一つのものばかりやってしまうと偏ってきてしまうと思うので、基本に返るじゃないですけど、自然な動きを意識していくことが大切かなと思います。
――では高校時代にやったトレーニングで、一番きつかったな、でもやってよかったなというものはありますか?
岩隈 まあランニングですかね。それしかしてないですね。僕らのときはウエイトトレーニングはまだやっていなかったので。グラウンドの中でも外でも。長距離や中距離を走ったり、1人になって100mくらいダッシュしたり。キツかったというか、ピッチャーとしてためになったのは、やっぱりランニングでしたね。
――走る量は、当時から多かったですか?
岩隈 いえ、プロに入ってからの方がランニングの量も増えましたし、フォームとかも意識して走るようになりました。しっかり足を高く上げて走ったりとか、そういう意識をしてやることがすごく大事だなと思います。
――高校の時に冬だけ行っていたトレーニングってありますか?
岩隈 とにかくランニングですよね。ボールを使わないですから。ボールを使わないで下半身のトレーニングだったり、上半身のトレーニングを意識してできれば、それが良いと思います。
高校生だとどうしてもボールを投げたくなっちゃいますから。それはしない方が良いと思いますけどね。シーズンオフというか、冬の間だけでもそういう期間を作って休ませることも大事だと思いますね。

- 岩隈 久志 (いわくま・ひさし)
- シアトル・マリナーズ
- 経歴:堀越高、大阪近鉄バファローズ、オリックス・バファローズ、東北楽天ゴールデンイーグルス、シアトル・マリナーズ
- ポジション:投手
- タイプ:右投右打
- 身長/体重:190cm/95kg
- 出身地:東京都
- 生年月日:1981年4月12日
- 日本代表:2004年アテネ五輪、2009年WBC
- タイトル:最多勝2回 (2004年、2008年)
最優秀防御率1回 (2008年)
最高勝率2回 (2004年、2008年) - 表彰:沢村賞1回 (2008年)
最優秀選手【MVP】1回 (2008年)
最優秀投手2回 (2004年、2008年)
ベストナイン2回 (2004年、2008年)
最優秀バッテリー賞1回(2008年) - 上記データは掲載時のものとなります。