沖縄を皮切りに、2025年も高校野球の季節がやってきた。8月5日に開幕予定の夏の甲子園を目指して、全国各地の球児たちがここまでの野球人生のすべてをぶつける。この夏の主役になろうとしている選手たちの「今」を各チームの指揮官に迫った。
**************
センバツ出場を果たすなど、福井の高校野球をけん引する敦賀気比。秋、春ともに優勝を果たし、県3冠に王手をかけた。そのライバルを喰ってやろうと牙を研いでいる最大勢力が福井工大福井だ。
秋、春ともに決勝戦で対戦して敗戦。準優勝に終わって苦汁をなめている。ただ集大成の夏はこのままでは終わらない。3度目の正直へ、2012年の大阪桐蔭の春夏連覇に貢献し、現在は福井工大福井を指揮する白水健太監督に話を聞いた。
春夏連覇を経験した元球児が指導する当時の教え
Q.春季大会でのチームの成果について教えてください。
昨秋同様に、春季大会では守備で大きなミスをしなかったこと。そこについては非常に良かったと思います。ですが、まだまだと感じる部分もありますので、夏までにはもう1ランク守れるチームを作りたいと思います。
そのために、もう一度作り直す意味でもゴロ捕りなど、本当に基本的な技術を1から始めるなど、多くの時間を使いながら練習をしているところです。
Q.夏へ向けて、チームが取り組んでいることは?
まずは攻撃力というところをテーマにしています。これまでの大会のように守備をしっかりやることは当然です。ただやはりプラスアルファの部分で、点数を取らないと勝てません。ですので、フリーバッティングをはじめ多くの時間を割いて、練習をやっています。
あとは体づくり。この部分が最も大事だと思っていますので、基本的には通年取り組んでいます。
なので、この時期もしっかり追い込みながら、守備と攻撃それぞれを強化する日を、臨機応変にやるようにしています。1日ですべての練習をやらずに、1つ1つの練習に対して集中してしっかりとやり切る。そうやって最終的にすべてまんべんなく鍛えられるように夏まで過ごすことを大事にしています。
Q.夏の大会でのキープレーヤーを教えてください。
主将である江崎歩内野手です。1年生からずっと試合に出ており、現在はチームのキャプテン。彼が活躍してくれれば、チームがガラリと変わりますので期待していますが、普段通りやってくれたらと思っています。
ただ彼の場合、元々優れたリーダーシップを持っており、主将になったことでチームを勝たせる。勝利に導くことを意識して、普段の練習からチームをけん引してくれています。ですので、自身の結果は当然求めるはずなので、これまで通りチームの勝利に貢献したいという気持ちを出してくれたらと思っています。
Q.最後に夏の大会に向けての思いを教えてください。
今年のチームは先輩たちの代から経験している選手が多く、経験は豊富です。ただ1年生大会で敦賀気比に敗れ、昨秋の北信越大会で日本航空石川に9回サヨナラ負けなど、悔しい思いをはじめ色んな経験をしています。ですので、しっかりやってもらわないといけないと思っていますが、意識しすぎずに一戦必勝で福井大会を勝ち抜く気持ちでやっていきます。
ですので、まずはしっかり練習を重ねて夏は潔く戦えるように準備したいと思いますが、そのために選手たちには毎年「3年生のために」という気持ちをもって練習させるようにしています。スタメンが下級生中心であったとしても3年生のチームですので、試合でぶつけてほしい。3年生ならば最後まであがいてどんな形でもチームに貢献すること。特にベンチを外れた3年生の頑張りが、夏の大会の結果に繋がると思っていますので、その気持ちを忘れずに過ごしてほしいと思っています。
そして何よりも大事にしたいのは応援されるチームでいること。大阪桐蔭時代の経験から、どんなことでも最後は人に行きつく。人と人のつながり、人間力は凄く大事だと感じて、選手たちには伝えてきました。もちろん勝つことも大事なのですが、2年半の中で人間として成長することも大事ですし、その成長が結果にもつながると感じました。ですので、その経験を最後までしっかり伝えたいと思います。
この記事へのコメント
読込中…
読込中…
まだメッセージがありません。
>> 続きを表示