<春季東京都高等学校野球大会:法政2-1国士舘>◇15日◇3回戦◇都営駒沢球場
この日の都営駒沢球場は、強風が吹き荒れていたが、今年の春季都大会は波乱が多く、何が起こるか分からない、嵐のような大会になっている。法政は2回戦で秋季都大会ベスト4の淑徳を9回サヨナラで破っており、旋風の一つになっている。
3回戦の相手は国士舘。左腕のエース・鎌村 曜平(3年)は評判の好投手で、1点が重い試合になった。
2回表、国士舘は安打、敵失、死球で二死満塁となったが、1番・下立 蒼大(3年)は二ゴロに終わり、得点ができない。けれども法政のエース、横手投げの福田 悠成(2年)は、この回だけで28球を投げており、この後のスタミナが心配される内容だった。さらに3回表、国士舘は、2番・山﨑 瑶介外野手(3年)が死球で出塁すると、すかさず二盗。さらに法政のエース・福田の牽制悪送球で三塁に進み、3番・宮﨑大宣内野手(3年)の一ゴロで生還。国士舘は無安打で1点を先制した。法政にしてみれば嫌な展開であったが、「引きずらないところがいいところです」と言う福田は、しっかり切り替え崩れなかった。
失点の後、福田が走者を出さず、傷口を広げなかったことで、流れは法政に来た。この裏、法政は9番・谷所 昂太郎内野手(2年)の左前安打に続き、1番・小林悠内野手(3年)の二塁打に失策が絡み、無死二、三塁とし、2番・白石 和馬外野手(2年)の二ゴロで谷所が還り、同点に追いついた。
さらに4回裏、法政は二死二塁から7番・川久保 克将外野手(2年)がレフトに強い打球。国士舘の左翼手が打球に対応できず、川久保は一気に三塁に進む三塁打となり、法政が1点を勝ち越した。
リードされた国士舘は、5回表にその回先頭の9番・笠間直汰内野手(3年)が二塁打を放ち反撃に出たが、犠打で三塁に進んだ後、2番・山﨑の三ゴロで本塁に突っ込んだものの、三本間に挟まれ、アウトになった。
福田は走者を出すものの、粘りの投球で踏ん張り、野手も好守で盛り立て、得点を許さない。「守備の練習は多くしてきました」と法政の佐相 健斗監督は言う。走者を出しても点が入らないと、緩急をつけた福田の投球が生きてくる。序盤は球数が多かった福田だが、後半になるとテンポよくなり、6回、8回は球数が一桁で収まるなど、試合流れを完全に引き寄せた。
リードはわずか1点だったが、その1点が国士舘には重くのしかかる。結局、9回表の国士舘の攻撃も12球で三者凡退に終わり、法政が国士舘を破り、4回戦進出を決め、同時に6年ぶりに夏の大会のシード校になることが決まった。
福田は国士舘を相手に球数121、被安打5、四死球3、奪三振2、失点1で9回を投げ切った。ひと冬越した練習の成果として福田は、「球の回転数が多くなりました」と語る。そのことが、見た目以上のボールのキレをもたらした。今後も強豪との対戦が続くが、「1人1人打ち取っていくだけです」と福田は語る。中学生時代からバッテリーを組んでいる捕手の樋口 毅(2年)との息もピッタリ。2年生が多いチームは、一戦一戦力を付けている。4回戦は国学院久我山と対戦する。
応援メッセージ
まだメッセージがありません。
>> 続きを表示
まだメッセージがありません。
まだメッセージがありません。
>> 続きを表示