バリエーション豊かな攻撃を披露した山梨学院が名門の作新学院を圧倒

進藤 天(山梨学院)
<センバツ高校野球:山梨学院12ー3作新学院>◇29日◇準々決勝
「打」の作新学院(栃木)と「投」の山梨学院(山梨)の戦いという試合前の注目点が崩れてしまった。山梨学院の攻撃が見事に的中して大量得点。今大会初の2ケタ得点をマークして、春夏通じて初の甲子園ベスト4入りを決めた。山梨県勢としても1991年の市川(現青洲)以来、32年ぶりの4強となった。
試合が決まったのは1対0で迎えた3回の山梨学院の攻撃だった。制球が定まらないながらも、直球と変化球の緩急でなんとかしのいでいた作新学院の先発・川又 楓投手(3年)に襲い掛かかった。無死一、二塁から髙橋 海翔内野手(3年)の中前適時打で先制。無死一、三塁から、スクイズの構えを見せて一塁走者の盗塁を助けるシーンがあるかと思えば、1死二、三塁で進藤 天内野手(3年)の打席のとき、三塁走者が投球と同時にスタート。進藤が内角の変化球を意図的にゴロを打つようなハーフスイングで遊撃前へゴロを転がした。ヒットエンドランのような形で1点を追加。ヒットを打たなくても得点を挙げる。豊富な得点のバリエーションを見せて、作新学院を突き放しにかかった。
その後、押し出しや適時打などで一気にこの回7得点。貪欲に1点を取りに行った結果、大量得点のビッグイニングにつながった。
作新学院は試合には負けたが、個々では打撃力を発揮した。1番・髙森 風我外野手(3年)が6回に豪快な左翼席へのアーチを掲げると、8回にも適時打を放って3安打2打点と一矢報いた。今大会、打撃力で存在感を示した名門は、夏に再び甲子園へ戻って強さを見せてくれるだろう。
(記事=編集部)