常磐大高が本塁打で追いつき、長打攻勢で水戸商に逆転勝ちでベスト4



7回を3失点に抑えた常磐大高・仲田

<第75回秋季関東地区高校野球茨城県大会:常磐大高8-3水戸商>◇28日◇準々決勝◇J:COMスタジアム土浦

 1999年春のセンバツでは準優勝という実績もある、伝統の水戸商。それに対して比較的新鋭校と言ってもいい常磐大高の対決となった試合。水戸商はこの夏は、シード校で挑んだが初戦で茨城キリストに敗退、悔しい思いをした。そこから立て直して、この秋は守谷と、春夏連続出場を果たした明秀日立を下した藤代に勝ってのベスト8進出。常磐大高は、この夏は3回戦で延長の末に牛久に屈している。そして、この秋は太田一、竜ヶ崎一という県を代表する伝統の公立校を相次いで下してのベスト8進出である。どんな戦いになっていくのか興味深かった。

 爽やかな秋晴の好天というよりは、まだ残暑の厳しさが残る中での試合となった。

 序盤から点を取り合う展開となったが、初回は水戸商が1番塙の中前打から、バントと暴投で三塁へ進めると、3番榎田の右前打で先制。さらに青木も安打で繋ぎ、送球ミスもあって一、三塁として、内野ゴロで2点目を得る。2回にも先頭の7番石川が二塁打すると、バントで三塁へ進み、内野ゴロの間に生還して3点目。水戸商が主導権を握る形となった。

 ところが、その裏に常磐大高は相手内野手の3つの失策と暴投など、無安打で2点を返す。そして3回には、2死走者なしから4番茂木の中越えソロホーマーで同点とした。

 こうなると、今度は試合の流れは常磐大高に傾いていく。

 4回、常磐大高は失策の走者が出て8番吉崎の左前打で一、二塁とすると、9番木村が左中間を破る二塁打で逆転し、一塁走者は本塁で刺されたものの、なおも1死二塁。1番佐藤翔も左中間二塁打で二塁走者をかえす。さらには、佐藤も暴投で、一気に二塁からホームへかえってこの回3点が入った。

 水戸商としては、いくらか悔いの残るミスによる失点が相次いだという形になってしまった。

 その後、いくらか試合も落ち着いてきて、水戸商は3点を追うという形になったが、常磐大高の10番をつけている先発仲田は、むしろ投げ込んでいくうちに、調子を取り戻してきたという感じでもあった。5回から7回も安打を許して走者を背負う投球ではあったが、併殺で切り抜けたり、二塁までは進めてもきちっと投げ切って抑えていた。そして、8回からは1番をつけた山口にマウンドを譲った。もっとも、県大会前の地区予選では、仲田が1番をつけており、2人の間に、力の差はあまりないようだ。

 水戸商も8回からは後藤をリリーフした3人目の千葉が投げていたが、常磐大高は3番澤田の適時打などで2点を追加した。

 終わってみれば、常磐大高がリードはされたものの早い回に追いついて逆転。試合の流れとしては余裕のあるものとなっていった。もっとも、常磐大高としては地区予選を通じて、序盤でリードを奪われたというのは、この秋では初めてのパターンだったという。それだけに、早い回で追いつけたのはよかったということであろうか。

 常磐大高の海老澤 芳雅監督も、「ミスで、リードを許してしまいましたが、こちらも相手のミスで点を貰いました」と、振り返りつつ、「本当は機動力も使いながらの攻撃もしていきたかったのですが、今日は機動力は抑えて、打って取っていこうということでした。いいところで茂木が打ってくれて、比較的早いところで同点にできたのがよかった」と、3回の茂木の同点ソロホーマーを評価していた。投手に関しては、「仲田は先発で行きたいタイプ、山口は後ろでもいいというタイプで、いい継投になった」と納得していた。

 水戸商としては、堅実に作ってきたはずの内野でミスが続いたことでの失点でリードをすぐに元に戻してしまったのが痛かった。

(取材=手束 仁

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