クラーク記念国際が連覇!センバツ出場がほぼ確実に!



優勝し、喜ぶクラーク記念国際の選手たち

<秋季北海道高校野球大会:クラーク記念国際3-1北海(延長10回)>◇12日◇決勝◇札幌円山

 10日に開催予定だった決勝戦は天候の不良により12日に順延(延期した11日も雨天のため順延)。とうとう秋季大会の決勝戦を迎えた。決勝のカードは、昨年に続いて秋季大会の連覇を狙うクラーク記念国際と、一昨年以来の優勝を狙う北海の対戦となった。

 

 クラーク記念国際はエースの新岡 歩輝投手(2年)がこの大会を通じて3試合を1人で投げ抜いている。準決勝の立命館慶祥戦では、散発2安打と打たせて取り、7回を76球で相手打線を無失点に抑えた。新岡は決勝戦を「(昨年は優勝したが)気持ちは挑戦者のつもりで一戦一戦、戦っていく」と冷静に話していたが、今日その日を迎えることになった。

 打撃陣は新岡をはじめ、中村 光琉内野手(2年)、安部政信外野手(2年)など、上位打線から中軸まで抜け目のない打線となっている。ただ立命館慶祥戦後、佐々木啓司監督が「下位打線が(塁に)出れば楽しみ」と話していたように、上位打線や中軸打線と比べれば、下位打線の迫力は劣るという感覚はある。

 一方、2020年以来の優勝を目指す北海も負けてはいない。打撃陣は長内陽大内野手(2年)、エースの熊谷 陽輝(2年)らを中心として、上位から下位打線まで当たりが出ている印象だ。

 投手陣は熊谷を中心に、一塁手として出場する機会が多い長内、主に遊撃手で出場する幌村魅影内野手(1年)など、多彩な投手陣を擁しているのがクラーク記念国際との違いだ。「自分の役割をしっかり全うする」というチーム方針の下、再び王者に返り咲きたいところだ。

 両チームとも、10月10日、11日と計2日間が休みとなり、いい休養日となったに違いない。クラーク記念国際は新岡、北海も熊谷とエース同士が登板する決勝戦となった。

 試合は序盤から投手戦となり、6回まで両チーム無得点で7回を迎える。

 7回裏、北海はこの回先頭の熊谷が自らを助ける左本塁打で1点を先制するも、クラーク記念国際は8回表に2死一、二塁から5番・中村が中前適時打を放って、すぐさま同点に追いつき、試合は延長戦へ。

 10回表、クラーク記念国際はこの回先頭の高木 馴平内野手(2年)が中前安打で出塁。2死二塁としたところで、打席には麻原 草太捕手(2年)が入る。麻原は3球目を捉えたが、これは三ゴロに。しかしこれを北海の三塁手・谷川 凌駕内野手(1年)が一塁に悪送球し、思わぬ形でクラーク記念国際が2対1と1点を勝ち越す。クラーク記念国際は続く中村が右越え適時二塁打を放ち、3対1とリードを2点に広げた。

 クラーク記念国際の先発・新岡はその裏、北海の攻撃を3人で抑えて試合終了。3対1でクラーク記念国際が連覇を達成した。

 クラーク記念国際の佐々木啓司監督は、この試合を「楽しみにしていた」と話し、「さすがは北海さん。苦しい試合だったが、選手たちはよく頑張った」と試合を振り返った。クラーク記念国際は秋季大会の優勝で、来春の選抜高校野球大会への出場が確実となった。佐々木監督は「(チームの)打力が弱く、そこを強化していければ」と向上心を持ったまま次へと突き進むつもりだ。

 先発した新岡は「連覇できてうれしい。(11月に開催予定の)神宮大会では、勝利を勝ち取りたい」と力を込めていた。

(文=小林 英介)