遠軽打線炸裂!網走南ヶ丘の好左腕・石澤を攻略し、8回コールド勝ち!



先発・石澤大和(網走南ヶ丘)

 遠軽vs網走南ヶ丘と北見支部では優勝候補として目される学校同士の対決が行われた。

 この試合の注目は網走南ヶ丘の144キロ左腕・石澤 大和をどう攻略するのか。遠軽打線は周到な準備をしていた。

 1回表、押し出しで1点を失ったが、1回裏、一死三塁から内野ゴロの間に同点に追いつくと、2回裏には無死一、二塁のチャンスを作り、1番東海林大貴(とうかいりん・3年)の左中間を破る適時二塁打、3番間村 湧介(3年)のライト越え適時二塁打、4番浅野 駿吾(3年)がセンターフェンス直撃の三塁打、さらに連打が続き、一挙5点を入れ、6対1とした。そして4回裏にも二死満塁から7番岡本大輝(2年)が詰まりながらも2点適時打を放ち、8対1と突き放した。

 ここまでの遠軽の攻撃内容を振り返ると、石澤が投じる140キロ前後の速球に対してはしっかりと目付けができており、多くの選手が振り遅れをせずに振り抜くことができている。そして120キロ後半のスライダーに対しても簡単に振らず、手元までボールを呼び込んで見送ることができている。なぜそれができるかというと、多くの選手が打席位置を工夫しながら。遠軽の選手はセンターから逆方向へ意識を持ったことで、体が開かず、しっかりとボールが見られていた。好投手攻略の基本だが、簡単に実践できるものではない。大事な試合で力を発揮した。

 石澤は4回を投げて、被安打12、8失点。ストレートは最速142キロが出ていて、決してボールが悪いわけではなかった。今後、石澤が高い才能がぶつかりあう大学、社会人、プロの世界で戦うには、徹底マークを超える投球をしなければならない。石澤のピッチングは高いレベルで勝負できている左腕と比べると攻めに奥行きがないところが気になる。球種の多さではなく、1つのボールに対して、幅広い使い方ができているか。調子が悪く、思うようにコントロールできなかったというのはあるだろう。遠軽打線に気持ちよく振り抜かれているのはどの点に課題があるのか。1つ1つのボールは一級品なので、この壁を乗り越えてほしい。