大阪桐蔭vs済美
大阪桐蔭が公式戦最後を勝利で飾る!
校歌を歌う大阪桐蔭ナイン
大阪桐蔭と済美の夏の甲子園準決勝戦の再戦となったこの試合。序盤から一歩も譲らぬ試合運びとなる。
大阪桐蔭の先発・横川凱は角度・威力があるストレートを中心に、時より見せるスライダーを軸にピッチングを組み立てる。
一方の済美の先発はエース・山口直哉。ストレートとスライダーを低めに丁寧に集める打たせて取るピッチングで、大阪桐蔭打線からアウトの山を築いていく。
試合が動いたのは4回。4番・藤原恭大が外角高めに来た山口のストレートを逆らわずにレフト前へ。無死一塁とすると、続く5番・根尾昂が内角のボールを捉えると、打球はセンターの頭上を越える。
一塁ランナー・藤原は快足を飛ばして一気にホームに戻り、1点を大阪桐蔭が奪う。
先制点を奪った大阪桐蔭は、先発の横川からスイッチした2番手・森本昂佑が素晴らしい投球を披露する。
最速148キロを計測したストレートと130キロ台スライダーを軸に済美打線を圧倒。4回からマウンドに上がり、7回まで投げて無失点。流れを引き寄せるピッチングで大阪桐蔭が1点リードで終盤に入る。
7回、大阪桐蔭は6番・13633と7番・石川瑞貴の連打で無死一、二塁。8番・小泉航平は送りバントを決めて一死二、三塁にする。
代打・青木大地は三振に倒れるも、1番・宮﨑仁斗がレフト線を破る2点タイムリーで4対0。さらに8回にも6番・山田の犠牲フライで1点を追加して5対0と大阪桐蔭がリードを広げる。
大阪桐蔭は8回からマウンドに上がっているエース・柿木蓮が9回もそのままマウンドに向かう。
ホームランを放った池内優一(済美)
しかし甲子園ベスト4の済美は簡単には終わらない。
一死から1番・矢野功一郎に四球を与えると、3番・芦谷泰雅のセンター前で二死一、三塁とされる。
ここで打席には4番・池内優一。大阪桐蔭はあとアウト1つで勝利。だが、145キロをストレートを池内にセンターへはじき返され、そのままスタンドイン。
一発を食らい5対3とされた大阪桐蔭だったが、それ以上の追撃は許さずゲームセット。最後は3点を失ったが、大阪桐蔭の今のチームは2018年を負けることなく終えることとなった。
試合後、今回の国体で8冠になったことに対して藤原は、「素晴らしいことなので誇りにしたい」と自分たちの3年間の軌跡を振り返った。
一方敗れた済美のエース・山口は、「6回までは自分のピッチングができていた。これは今後活きてくると思う」と、次のステージを視野に入れたコメントを残してくれた。
今日を持って高校3年生全員が高校野球を引退した。今後、グラウンドで会うときはどんな姿に成長しているのか。どんな逆境でも諦めず跳ね返す彼らの力を見ると、期待せずにはいられない。