2014年10月09日 札幌麻生球場

北海vs北照

2014年秋の大会 第67回秋季北海道高校野球大会 準々決勝(3回戦)
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勝負の瞬間 松倉雄太

6回の攻防

貴重な追加点となる押し出し四球・大矢勝幸
(北海)

 6回の攻防を取り上げてみたい。

 両チームが序盤に点を取り合い、3回を終わって約1時間という長いゲーム。それが4回と5回の2イニングはわずか15分弱と明らかにテンポが変わった。グラウンド整備が終わり試合は後半。次の1点を巡る攻防が始まった。

 6回表、北照は先頭の4番川端 翔(2年)が二塁打を放つ。続く6番工藤慎司(2年)は凡退したが、6番岡島颯(1年)が四球で出塁。一死一、二塁の局面ができた。

 ここで北海の平川敦監督は、シート変更を行う。先発の渡辺 幹理(2年)を外野に回し、センターの山本樹(2年)をマウンドに上げた。平川監督は、「いつもならば代えない。賭けでもあった」と胸中を明かす。ただ、緊急登板の山本は冷静だった。投球練習を終えると、靴紐が緩んでいるのに気づき、結び直した。そのことによって自分の間を作る。そして打者の管野 渉(2年)をレフトライナーに打ち取る。さらに二塁走者の川端が戻れず、思わぬ形でダブルプレーにすることができた。平川監督の賭けが当たった瞬間だった。

 その裏、今度は北海が攻める番だ。

 先頭の7番長澤健汰郎(2年)が死球で出塁すると、8番渡辺幹のバントを北照のキャッチャー・岡島が二塁に投げてセーフ。フィルダースチョイスにしてしまった。

 続く9番渡邉翔太(2年)はバントの構えを見せる。北照のファースト・川端とサードの佐々木斗夢(2年)は1球ごとに猛チャージをかけた。それと同時に、セカンドの北原海登(2年)とショートの斉藤 上総(1年)が一塁と三塁にベースカバーに向かう。だが1球ごとにその動き出しが早くなり、その分二塁走者・長澤のスタートの構えも早くなった。渡邉翔が4球目をピッチャー前にバントした際には、長澤は抜群のスタートをきっていた。ピッチャーの管野はやむをえず、一塁に投げてアウトを一つ取った。

 送りバントが決まった後、1番柿沼 和樹(2年)が歩いて一死満塁と場面が進む。打席は2番大矢 勝幸(2年)。
 守る北照サイドはこの大矢をどのように打ち取りたいのか。その答えがキャッチャー・岡島の構えだった。左打者の大矢に対して全て外角に構える。ただしあえて逆球を誘発するリードでストライクを稼いだ。大矢も外角の変化球(4球目)を中途半端な形で空振りしている。これはボール球のように感じる一球だった。

 フルカウントからの6球目、またも外角の球を大矢はファウルにする。7球目も岡島の構えは外角。選んだ球種は4球目と同じ変化球だった。大矢はわずかにバットが出かかるが、「よく止まってくれた」と寸前の所でハーフスイングを免れた。判定はボール。思わず「ヨッシャー」と叫んだ大矢。逆に守る北照にとっては痛恨の押し出しとなり、勝負の上で大きすぎる1点を献上してしまった。

 「2点差と3点差では全然違う」と喜んだ大矢には、キャッチャー・岡島が常に外に構えていたのがわかっていたという。逆球を誘発するリードは見事に思えたが、1球でも内角を見せるリードをすれば打者の心理状態は変わっていたかもしれない。

 渡邉翔のバントの時のチャージの仕方もそうだが、守り手がアウトを取る策をどのように攻め手に見せるのか。結果はともかく、後で試合を振り返ってどれだけのパターンがあったかを追求してみると、野球がさらにおもしろくなるのではないだろうか。   

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