西嶋 亮太選手 (東海大四)

西嶋 亮太

球歴:東海大四

都道府県:北海道

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:168.0 cm

体重:59.0 kg

学年:卒業

短評

観戦レポートより抜粋(2014年8月19日)  東海大四の先発・西嶋 亮太(3年)。 西嶋は強力打線・九州国際大附相手に緩急自在な投球で翻弄し、そして大きな話題を呼んだ「スローボール」。MLBではスローボールのことを、「Eephus pitch」(イーファス・ピッチ)と呼ばれている。  この用語を有名にしたのは、多田野数人(北海道日本ハム)だが、この言葉が生まれたのは約70年以上前といわれる。ダルビッシュ有も、スローボールを有用な武器として使っているのだ。  MLBの一流投手でさえコントロールが難しいといわれるスローボールを1人の高校生が習得に挑戦。地道な練習を積み重ねて、ついにストライクゾーン近くに収めることに成功した。そういう背景を踏まえると西嶋は遊び心がある投手というよりも、実に辛抱強く、根性のある投手だなと感じる。  西嶋の良さはそれだけではない。
まず投球フォームが良い。左足を上げた時のバランスの良さ、柔軟な股関節を活かした滑らかな体重移動、上半身の綺麗な旋回から投げ込む球持ちの良さを感じるリリース。全てにおいて筋の良さを感じる。  球速は常時130キロ中盤~130キロ後半を計測しており、球速表示以上に勢いを感じるキレのあるストレート、120キロ台のスライダー、100キロを切るカーブ。両サイド自在に投げ分けが出来ており、余裕をもって投げることが出来ていた。  山形中央打線は西嶋を打ち崩すことが出来ず0点を積み重ねる。 西嶋がスローボールを見せたのは7回表二死。中村 颯(3年)の初球に投じた。山なりの軌道を描いて、キャッチャーミットに収まった。ややストライクゾーンから外れたとはいえ、直球に比べてコントロールが難しく、不規則な動きをしやすい山なりのボールをストライクゾーン近くにコントロール出来るのだから恐れ入るしかない。 その後、136キロのストレート。打席に立った中村はそれまでのストレートより速く見えたことだろう。中村は当てるのに精一杯。遊ゴロに打ち取り、会心の投球を見せた。  西嶋は敗れたとはいえ、計19回を投げて、3失点。自責点は1で、防御率0.47と文句なしの快投だった。戦った2チームとも打線に力があるチーム。その相手に対して、この結果。もっと胸を張ってもいい。
更新日時:2014.08.21

短評

観戦レポートより抜粋(2014年8月14日)  168センチ、59キロの体格はいわゆる“小兵”と形容されるが、マウンドに立つと小さく見えない。ストレートの最速は138キロと普通でもこれがキレよくキャッチャーのミットをびしびし叩く。  変化球はさらにいい。 ノーマルなのは斜め・横の2種類のスライダーにチェンジアップの2種類だが、アブノーマルな変化球が凄かった。  球場のスピードガン表示を計測不能に陥らせるフワッと山なりの軌道を中空に描くスローカーブと、さらに遅い超スローボールが九州国際大付各打者の「遅速」の感覚を狂わせた。この2つの遅球はスピードガン表示されなかったが、推測すればスローカーブが80キロ台、超スローボールが70キロ台だろう。現役なら多田野数人(日本ハム)、過去には通算400勝を挙げている金田正一(元国鉄など)が投げていたボールだ。  金田氏は取材で「これは誰にでも投げるという球じゃない。ON(王貞治と長嶋茂雄)くらいにしか投げなかったボール」と胸を張った。  それに対して西嶋はよく投げた。 ストライク率が極めて低いボールだが、このあとに投じられる低めのスライダーに対して九州国際大付各打者は空振りを繰り返した。スローボールによって120キロ台で横変化するスライダーをストレート並みに速く見せ、130キロ台のストレートはさらに速く見せる。この日奪った12三振のうち変化球によるものが7つあり、そのすべてが空振り。そしてストレートで奪った5三振のうち空振りは2つ、見逃しは3つもあった。 ストレートを速く見せる西嶋のマジシャンぶりがここによく表れている。
更新日時:2014.08.15

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