桐生第一の大型スラッガーが全国トップクラスへ成長!145キロ右腕、夏に復活を



北村 流音(桐生第一)

<春季群馬県大会:前橋育英11-7桐生第一>◇4日◇準決勝◇高崎城南

 春の大会になると、各校とも冬のトレーニングの成果からか、どの打者も伸びている。ただ、日本球界の頂点であるNPBにいける選手は相当なスケール感、テクニックを兼ね備えた選手でなければならない。今年の高校生打者は技術が秀でた打者が多いが、スカウト好みするようなスケールが大きな打者はほとんどいない。その中で面白い打者が桐生第一の三塚 琉生(みつか・るい)外野手(3年)ではないだろうか。グラウンドに立った時のスケールや威圧感は今年見た高校生の中でも飛び抜けている。

 第1打席、内角高めの直球を振り抜いて、高崎城南球場の最上段に持っていく高校通算22号となる特大2ランを放った。観客がどよめく素晴らしい一打だった。三塚は「内角に来ると思って、そこを振り抜くことができました」と狙い球をしっかりと振り抜いた打撃だった。

 第2打席は死球。第3打席は初球を打って痛烈な右前適時打。第4打席は変化球を拾って中前安打、第5打席は四球と、3安打2四死球とすべての打席で出塁した。本塁打以外の2安打はいずれも変化球を打った結果だった。

「ストレートをホームランにしたので、変化球が来ると思っていました。しっかりと打つことができてよかったです」

 タイミングもバッチリ取れており、スキがない。下級生の時から注目され、センバツ出場を狙った昨秋の関東大会では8打数3安打を放ったものの、三塚らしい長打は生まれなかった。課題となったのはタイミングのとり方だった。この春の大会前まで試行錯誤を続けていたが、OBの皆川 岳飛外野手(中央大)の足の上げ方を参考にしたところ。しっかりとハマったという。



本塁打を打った三塚(桐生第一)

「タイミングはかなり良い形で取れていると思います」と語るように、今大会は2本塁打を放った。打撃だけではなく、守備の動きも良い。1歩目の反応が早く、外野奥深くの打球にも対応できている。ベースランニングを見ても速く、走塁意識も高い。三塚も「打つだけではなく、守れて走れる選手になれば、評価は高まると思います。そして守備は球際の強さを意識し、練習してきました」

 主将としてチームを牽引する三塚。敗れはしたが、冬場は懸命にトレーニングを行い、6キロ増量に成功し、182センチ、88キロと高校生とは思えない体格をしたスラッガーへ成長した。夏まで注目したい逸材だ。

 桐生第一の現状の課題は投手陣の底上げだろう。1年生の時から経験し、最速145キロ右腕・北村 流音投手(3年)は背番号が18で、先発しなかったように、調子は上がっている感じではない。6回から登板したが、常時130キロ前半〜138キロと、桐生第一投手陣の中では明らかに抜けているものの、もともと140キロ台の速球を投げ込む北村を想定して準備した前橋育英打線にとっては怖さがない。おそらく大会序盤でレベルが高くない相手であれば、抑えられるが、打撃技術、見極めのレベルも高い前橋育英打線に対峙すれば、苦しい投球内容となって当然である。120キロ前半のスライダーも決まらず、3回4失点を喫した。

「コントロールができず、苦しい投球になりました。もう1度、鍛え直していきたいです。夏までウエイト、走り込みなどトレーニングをしっかりと行い、状態を上げていきたいです」

 北村の復活が必要不可欠。夏には投打ともに圧巻の実力を示すチームになることを期待したい。

(取材=河嶋 宗一

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