前橋商の投打の柱が躍動し、桐生第一を破る!12年ぶりの関東大会出場が決定!



適時打を打ってガッツポーズの萩原蒼真(前橋商)

 桐生第一前橋商と群馬を代表する実力校の対決はシーソーゲームとなった。

 2回裏、前橋商は4番塩坪永勢の二塁打とバッテリーミスから三塁へ進み、相手の敵失から1点を先制。なおも無死一、二塁から7番に下がっていた主砲・萩原蒼大の適時打で2点目を入れる。萩原は「2点目が試合の流れを大きく左右する場面だったので、気合を入れて打席に入りました」と振りぬいた打球はレフトへ痛烈に抜けていった。

 しかし4回表、桐生第一は7番山田柊弥の適時打と相手のミスから同点に追いつき、試合は振り出しに戻る。

 4回裏、前橋商は一死一塁から7番萩原がチャンスを広げる右前安打を放って、一、三塁のチャンスから8番蛯谷亮介の犠飛で勝ち越し。さらに6回裏、二死から7番萩原の右前安打からチャンスを作る。

 萩原はこれで3安打目、188センチ84キロと恵まれた体格を生かし、4番兼投手を務めていたが、打撃不振に悩み、苦しんでいた。住吉監督の相談の上、打撃フォームを修正し、臨んだ試合でもあった。準々決勝で変化球に苦しんでいたため、ライト方向に狙いを定めた結果が3安打につながった。

 萩原の打撃フォームは少しテークバックを小さくしてコンパクトに振りぬく打法だが、萩原自身、完成度は低いと思っている。それでも対応力を高め、よりタイミングを取りやすくするために試行錯誤した結果が猛打賞につながった。いろいろなフォームに修正する中、ベストタイミングをとれる打撃フォームができれば、長打が増える可能性もあるだろう。また萩原は最速134キロを計測する大型右腕でもある。投手としての登板も楽しみな存在だ。

 投げては茂田 侑大が好投。125キロ前後だが、120キロ前後のスライダー、チェンジアップと球速差がほとんどない変化球と緩いカーブを使い分けながら打たせてとる投球。住吉監督は「とにかく器用な投手」と評するように、茂田はコントロールを大事にしながら、内外角に投げ分け、8安打を浴びながらも要所を締め、2失点完投勝利で、12年ぶりの関東大会出場を決めた。

 ここ最近は巨人入りした井上 温大など能力が高い投手をそろえても届かなった関東大会出場。力がないと自覚し、何ができるか考え抜いた前橋商ナインは打倒私学を達成し、つかんだ関東の切符となった。

 敗れた桐生第一は2番手の北村 流音は常時130キロ前半(最速135キロ)の直球とスライダーを器用に投げ分ける好右腕で、さらに大型外野手・三塚 琉生も振り幅が大きいスイングから鋭い打球を連発する左のスラッガーでマークしておきたい存在だ。惜しくもベスト4で負けたが、来春以降も上位進出が狙えるチームであることは間違いない。

(文=河嶋 宗一

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。