東福岡が3季ぶりの九州大会へ、近大福岡は宮本が2発も敗戦



東福岡の富永結斗内野手(2年)は6回に同点打を放ってベンチに向かってガッツポーズ

<第151回九州高校野球福岡県大会:東福岡8-5近大福岡>◇8日◇準決勝◇久留米市

 東福岡が久しぶりの九州大会出場を決めた。2007年夏を最後に甲子園から遠ざかっている名門が、復活ののろしを上げた。

 終盤までは互角の戦いだった。

 東福岡は1回に永田 悠進外野手(2年)の適時打で1点を先制すると、スクイズで2点目を入れた。

 しかし、近大福岡はその裏、2死一、二塁で5番・宮本 翔生外野手(2年)が右翼席への3ランで逆転。宮本は3回も2打席連発となるソロを放つなど、近大福岡は3回が終わって5対3とリードしていた。

 東福岡は6回に7番・富永 結斗内野手(2年)が2点適時打を放って同点に追いつくと、9回に一気に打線がつながった。

 死球と犠打で1死二塁のチャンスをつかむと、途中出場の髙田貫多外野手(2年)の打球がセンターの頭上を襲い、センターが一瞬グラブでつかみかけるも球が落ちる間に(記録は失策)二塁走者がかえって勝ち越しに成功。その後、四球でチャンスを広げると、4番・中園 拓明外野手(2年)から3連打。この回3点を奪って勝負を決めた。

 投げては3番手として7回途中からマウンドに上がった背番号10の髙山 柊吾投手(2年)が、3イニングをわずか2安打無失点に抑え、終盤の相手の反撃を封じた。やや小さめのステップで左足をつっぱるような独特なフォームながら重い球質を感じさせる直球と変化球を駆使して近大福岡打線を封じ込んだ。

 伊藤義弘監督は「ビハインドでも1点ずつ返していこうと選手には言っていた。こうなるだろうとは思ってましたし、選手らは粘り強いですからやってくれると思っていました」とナインの逆転劇をたたえた。伊藤監督は元ロッテの投手として活躍し、2020年から東福岡の監督に就任。今年で3年目を迎え「私が監督になってから入学してきた選手たちが主力。今夏もレギュラーだった4人が残っているし、この子たちと一緒にセンバツに行きたいと思っています」と来年センバツ出場に意欲を燃やす。

 敗れた近大福岡には、スラッガーがいた。この日2打席連続本塁打を放った宮本は、まだ高校通算3本目だという。これまで練習試合で1本を放っていただけで、公式戦初アーチからの2打席連発ということになる。大きなスイングでややアッパー気味に鋭く振り抜く。「2本目はホームランを狙っていました」と大きな自信をつけていた。

 「球を地面に置いて、バットでゴルフスイングのようにして球を上げる練習をずっとしていました。上半身と下半身の連動がうまくいくようになりました」

 もともとは投手だが、右手の骨折などもあり、現在は投手と外野手を掛け持ちしている状態。「1年生の時は140キロを投げていました」。この日も6回途中から2番手として登板。直球は130キロ前後で9回に勝ち越される悔しい思いをした。「春には140キロを投げるようになりたい」。投手としては悔しさが残ったが、打撃面では大きな自信をつけた。一冬越えた宮本の姿を楽しみにしたい。

(記事=編集部)

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