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106キロの1年生4番、佐倉の2戦連発で九州国際大附がベスト4

フルスイングする佐倉 侠史朗(九州国際大附)
福岡では常に優勝候補と言われ続けている九州国際大付と、39年ぶりのベスト8に進出していた進学校の福岡との準々決勝。強豪私学と公立の極端な学校の対決となった。今夏の甲子園に出場した西日本短大附を破った勢いが、九州国際大付にどこまで通用するかが、ポイントだったが、九州国際大付の「新4番」のパワーの前に屈した。
九州国際大付は福岡先発の緒方 柊平投手を攻めた。183センチ、106キロの4番佐倉 侠史朗(1年)がいきなり先制打。3回、4回と1点ずつを加えて3対1で迎えた5回、先頭打者で打席に入ると、パワーを見せつけた。低めの変化球を強引にすくい上げた打球が、グングン伸びて右翼スタンドで大きくはねた。打った瞬間は高く上がったライトフライと思っていたが、風にも乗ったとはいえ、驚異のパワーだった。「自分でも入るとは思いませんでした」と本人もびっくり。5回戦の東筑戦に続いての2戦先発。打線がこれで勢いづき、この回2点を追加して勝負を決めた。結局、この日は3打数2安打2打点の大活躍だった。
新チームから4番に座る。楠城 徹監督は「最近、ようやく4番の自覚が出てきた。パワーだけでは、誰にも負けない。『九州国際大付の4番』ですからね。今年のチームは4番に軸が出来てきたので、なんとかこれからも勝ち上がりたい」と手ごたえ十分。高校通算4本目のアーチだが、東筑戦では北九州市民球場の「場外まで飛んでいきました」(佐倉)とパワーは計り知れない。楠城監督も「場外まで運ぶから大したパワーだ」と絶賛した。
「西武の森とヤクルトの村上にあこがれてます。自分も同じくフルスイングしていきたい」。どこまで成長するか、楽しみた。
福岡の小森 裕造監督も「九州国際大付さんの打線に圧倒されました」と脱帽だった。1982年以来、39年ぶりの県8強だったが、勢いは止められた。「冬に向けての課題も見えたので、鍛えなおします」と春、そして夏へのリベンジを誓った。
(記事=編集部)