浦野 啓太選手 (飯塚)

浦野 啓太

球歴:飯塚

都道府県:福岡

ポジション:三塁手

投打:右 / 右

身長:177.0 cm

体重:71.0 kg

学年:卒業

寸評

 昨年の春季九州大会では、宮国 椋丞糸満-巨人)投手から4安打を放つなど、ボールに食らいつく打撃で存在感を示した 浦野 啓太。最終学年を迎え、どのような成長を遂げていたのか考察してみた。 (守備・走塁面)  昨年までは遊撃手だった選手だが、最後の夏は三塁手として出場。正直遊撃手としては、それほど際立つ上手さは感じなかった。しかしこの一年の成長もあったのだろうが、三塁手としては実に動きがよく、その強肩ぶりも目立っている。こと三塁手としては、何処レベルでも通用するだろう。問題は、それ以外のポジションを、こなせるだげの力量があるのかということになる。彼のような長打を売りにする選手ではないので、ニ遊間をこなせるような守備でのアピールも重要な要素になる。  この夏の試合では、一塁までの正確なラップは計測できなかった。昨夏の模様では、推定ながら左打者換算で4.15秒前後に相当する中の上レベルの脚力。この夏のプレーを見る限り、それほど足を売りにするプレースタイルではなかった。走力に関しては、足を引っ張らない程度と考えた方が良さそうだ。 (打撃内容)  右に左にセンターへと、広角に打ち返す打撃が、この選手の持ち味。特に、難しい球にも食らいつく、向かって行く姿勢が最大の魅力。 <構え>  スクエアスタンスで、グリップを高めに添えた強打者スタイル。腰をグッと沈ませ下半身に安定感を感じさせるが、センターカメラからも背番号がハッキリ読み取れるなど、後ろの肩が中に入り込んだ、クローズ気味に構えている癖のある構え。そのため、両目で前を見据えるという、姿勢もけして良くはない。足の置き方はスクエアスタンスでも、こういった選手はクローズスタンスで構えていると捉えるべきだ。 <始動>  投手の重心が沈みきった時に始動する、中距離打者が多く採用する始動。そのため、ある程度の対応力と長打力をバランス良く兼ね備えている。その多くが中軸を担うようなポイントゲッターを務めることになるのだが、アベレージヒッターなのか長距離ヒッターなのかの特徴が見えづらくなり、中途半端に終わるケースが多い。ただ昨夏までは、遅すぎる始動だったので、それをしっかり一年の間に改善してきた点は評価できる。 <下半身>  始動に余裕ができたことにより、足をじっくり浮かしまわし込む「間」が作れるようになってきた。これにより「点」だった打撃が「線」になり、打てるポイントが広がったことは間違いない。クローズ気味に構えるのだが、踏み出しはアウトステップという矛盾をはらむ。クローズスタンスは、高めの緩い球以外は徹底的にセンターからライト方向へはじき返す意識がないと、ことごとくボールを引っ掛けるからだ。しかし彼の場合、引っ張りを強く意識したアウトステップを採用。その構えと踏み込みが、相反する動作を行っているのだ。それでも踏み込んだ足元がブレないので、外角でも真ん中~高めの球ならば右方向にはじき返すことができている。昨夏までは、インパクトの際に足元がブレてしまう欠点があったが、その欠点もこの一年で改善されていた。 <上半身>  早めに打撃の準備の形である、トップを作ることができている。ただバットの振り出しが、体から離れて遠回り。ボールを捉えるまでに、ロスがあります。昨年よりも、この点では悪くなってきている気が致します。それでも最後まで鋭く振りぬけており、ヘッドスピードの速さは目立ちます。上のレベルの球にも、対応できるものがあると思います。 <軸>  昨夏までは、自分からボールに向かって行く動きが顕著で、頭の動きが激しく目線は大きく動いていました。しかし今年は、そういった動きは小さくなった気が致します。体の開きも我慢できておりますし、軸足も安定しています。好不調の波の少ない、安定した打撃が期待できるのではないのでしょうか。
更新日時:2011.09.01

将来の可能性

 昨年から比べると、いろいろな意味で課題を改善しようと試みてきたことが伺えます。非常によくなった部分と、随分と癖のある打撃するようになったなあという両方の印象を持ちます。ただそういった向上心は貪欲にあるようで、これからも自分に合ったものを模索していって欲しいと思います。  今後進む環境によって、求められるものも違って来るでしょう。しかしそういった困難にも、それを乗り越えて行ける精神的な強さと、新たらしいものに挑んで行く貪欲さを感じました。そういった意味では、心配はしておりません。ぜひ自信を持って大学などに進み、野球を続けていって欲しいですね。また何処かのグランドで、その成長した姿に出会えるのを楽しみにしております。今度出会うときは、どんな形に変化しているのか、個人的には大変興味惹かれます。
更新日時:2011.09.01

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