坂本 龍選手 (畝傍)
寸評
2年生左腕。小柄だが、変化球のキレ味ならば、畝傍の投手陣の中で一番。曲者の投手として注目されるだろう。この夏は奈良大附相手に完封勝利を上げている。 (投球内容) 左スリークォーターから投げ込む直球は常時125キロ~130キロ前後ぐらいか。両サイドに散らしていきながら、曲がりが鋭いカーブ、スライダーで空振りを誘う投球を見せる。 いわゆるコースが集中しないため、狙い球が絞りにくい。向かってくる球筋ではなく、常に逃げていくため、彼の術中にはまると、打てない気はしないが、ただ打ち崩しようがなく、気付いたら0が重なっている。そんなパターンに陥ってしまうような投手である。 (投球フォーム) ワインドアップから始動し、右足はあまり引き上げず、二塁側に足を送り込んでいきながら、腰を深く沈み込ませて、インステップ気味に着地する。非常に癖のある体の動き。 そこから、右腕はグラブを斜めに伸ばしていきながら、開きを抑える動作を行う。テークバックは内回りの旋回をしていきながら、トップを作る。左ひじはしっかりと上がっており、肩、肘にかかる負担は少ないだろう。またトップの時に右肩の開きも抑えることが出来ている。 リリースではやや外旋気味で腕をぶん回すような形なので、球持ち自体は良いとはいえないが、低い位置から一気に腕を上げて振り下ろすので、打者としてはやや打ち難さを感じるかもしれない。最後のフィニッシュでは、やや膝が割れているので、体重が乗りにくいだろう。
更新日時:2014.12.31
将来の可能性
独特の感覚で成り立っている投球フォームのため、不調に陥ったときは、自分自身で解決していけないだろう。ただポイントとなる部分をしっかりと押さえて、さらにストレートのキレ、コントロール、変化球のキレを磨くことが必要だ。 次のステージでも、速球、変化球のコンビネーションを活かした変化球投手になっていくのではないだろうか。夏まで強豪校に勝てる投手になることを期待したい。
更新日時:2014.12.31