菊田 拡和選手 (常総学院)
寸評
巨人3位に指名を受けた菊田拡和(常総学院)。パワー、思考力ともに優れた茨城のバレンティンだ。この男の本塁打は数多く見てきたが、ほとんどがとてつもなかった。そんな驚きの本塁打を紹介していきたい。 1本目 2018年 春季関東大会 日大三戦 この本塁打、とてつもないものがあった。河村 唯人が投じたボールをとらえ、バックスクリーンの電光掲示板の近くに直撃する本塁打だった。あまりの飛距離にファンが唖然とする本塁打だった。 2本目 強化試合 明豊戦 9回表、明豊の左腕・若杉晟汰から高めのストレートを逃さず、右中間のスタンドを飛び越え、場外本塁打となった。右打者が弾丸ライナーで右中間の場外へ打ち込んだあたりは見たことがない。この場面について「前の打席で高めを振って三振してしまいました。ボールの下を振っていたので、ボールの軌道に合わせるために少し上から叩く意識で打席に入りました」カウントは2ボールから狙っていたストレートを振り抜いた。 菊田は体つきから見てもわかるように高校生離れした強靭な肉体を持っているが、読みの鋭さと1球を逃さない集中力を持った選手である。 技術的にも変化があった。2年秋の関東大会の桐蔭学園戦で左投手の変化球を見極めれず、凡退を繰り返し初戦敗退。ここから冬場では左投手の変化球を見極める練習を繰り返し、打撃フォームでも軸足を回転してスイングすることをイメージ。 その打撃フォームを見ると、スクエアスタンスで、バットを傘のように見立てて構える姿は無駄な力みが見られない。小さなステップで呼び込んでレベルスイングでボールをとらえる、とらえる瞬間に軸足の回転を利用しながら高速スイングを生み出し、打球をピンポン球のように打球を飛ばす。 高校生のスラッガーにありがちな外回りのスイングをして、筋力で飛ばすタイプではなく、しっかりと軸足をキーに、鋭いスイングを生み出す選手なので、対応には時間がかからないタイプだろう。
更新日時:2020.01.30
将来の可能性
打撃技術、パワーは近年巨人入りした野手の中でもずば抜けており、高卒2年目には二軍でも二けた本塁打は狙えるポテンシャルは秘めている。 ただ走力や守備力などがネックなので、もともと守っているレフト、三塁、もしくは一塁など名手級の守備力を身に着け、さらに常時打っていかないとチャンスが狭まるタイプだといえる。 岡本和真以来の右の和製スラッガーの入団なので、巨人としてはなんとしても大成させたいところだろう。入団1年目の歩みに注目だ。
更新日時:2020.01.30
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