松山東、最速143キロ・伊藤 颯太朗(今治北2年生)を攻略し2年ぶりの夏1勝!



今治北の最速143キロ右腕・伊藤 颯太朗(2年)(写真提供:フィールドスポーツ出版<EPS>)

 前夜の社会人野球日本選手権準々決勝では今治北出身の上谷 和大(神戸学院大~JR四国)が大卒1年目にてして大阪ガス相手に右サイドから最速147キロをマーク。一躍2022年ドラフト候補に浮上したが、この試合における前半の主役も「今治北右腕」だった。

 今大会で2年生にして背番号「1」を背負った伊藤 颯太朗(右投右打・179センチ74キロ・今治市立南中出身)がその人。すでに練習試合では最速143キロをマークしている逸材は、この日も昨年の松山聖陵平安山 陽(四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックス)を思わせる右スリークォーターから力感を敢えて出さず自校のスピードガンで最速138キロをマーク。加えて120キロ後半のシンカー、スライダー、110キロ後半のカーブもキレがあり、2015年21世紀枠センバツ1勝の松山東打線に対し4回まで振り逃げ1人のみの準完全で投げ抜いた。

 その後は5回表に5番・友澤 翔英(3年・右翼手・177センチ75キロ・右投右打・松山リトルシニア出身)に高めの抜けストレートを叩かれ高校通算8本目となる一撃。さらに7回表には4連打を浴び4失点と最後に力尽る形になったが、先発9回を投げ10安打1死球9奪三振6失点で得た課題を胸に、新チームではぜひ「ドラフト候補」の称号が付くような努力を重ねてほしいところだ。

 それだけにいっそう松山東の集中力・分析力は高く評価できる。9回表二死二塁から1番・岡田 啓佑(2年・三塁手・173センチ67キロ・松前町立北伊予中出身)の右前適時打でしぶとく勝ち越した打撃はもちろん、再三の好守でチームを盛り上げた友澤を中心に6年前のセンバツでも効果を発揮した守備ポジショニングも見事。

 そして継投でも「らしさ」を発揮。ネット裏の偵察チームスピードガンで球速120キロを上回ることがなくても、全く動ずることなく先発は大型の西川 蒼一朗(3年・185センチ73キロ・右投左打・松山市立桑原中出身)、中継ぎにアンダーハンドの柚山 道明(3年・175センチ73キロ・右投右打・松山市立勝山中出身)を起用。最後は外連味なく超スローカーブもストライクゾーンに投げる村上 陸(2年・182センチ71キロ・愛媛大学附属中出身)とリリースの角度を変えながら3投手がつなぐことで、今治北打線を最終的には7安打に封じ込んだ。

 前年は3年生の進学準備のため8月開催だった県独自大会への出場を辞退した松山東にとって、2年ぶりにつかんだ夏の1勝。「昨年の先輩に成長した姿を見せられてよかった」と話した友澤の笑顔は頭上に広がる夏の青空のように輝いていた。