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第9回 元世界水泳代表選手から、「柔軟で強い」腕と肩、身体の鍛え方を学ぼう!2015年11月07日

【目次】
[1]無用な故障を防ぐ試合・練習前ストレッチの「使い方」
[2]野球にも応用できる「肩・腕の暖め方」
[3]水泳から学ぶべき「トレーニングの考え方」
オリンピックでは日本のお家芸、近年でも世界と戦える選手たちを次々と輩出している「水泳競技」。これらのトレーニングには実は野球にも応用できるエッセンスがふんだんにつまっている。今回はそのメニューの一端と「水泳的トレーニング思考法」を、現役時代は平泳ぎの日本代表選手として活躍。現在は地元・福岡県で株式会社ワンダーイヤーズ代表取締役を務める今井 亮介さんに紹介してもらった。
無用な故障を防ぐ試合・練習前ストレッチの「使い方」

試合・練習前ストレッチの基本は身体を「伸ばす」のではなく「温める」こと
「水泳的に言えば、現在ではストレッチを競技や練習前にはあまりやりません。故障は可動域の範囲内で起こることが定説になっている中、ストレッチをやりすぎると筋肉が緩んでしまうんです。ですから、ストレッチも1つの動きを2秒間で止めるようにするんです。可動域を高めるというより、体温を高めるためにストレッチを使っていくんです」
マット上にひざを抱えて転がる、スタージャンプなど、「動的ストレッチ」と称される実演を交えながら話す今井さんのストレッチ理論はいきなり野球界にとっては「目からうろこ」。ただ、今井さんの実績を見れば、水泳界では当然の理論であることが解る。
1999年にはパン・パシフィック選手権・メドレーリレーで銅メダルを獲得。2001年には当時19歳だった北島 康介選手(2004年アテネ五輪100m・200m平泳ぎ金メダル、400mメドレーリレー銅メダル。2008年北京五輪100m・200m平泳ぎ金メダル400mメドレーリレー銅メダル。2012年ロンドン五輪400mメドレーリレー銀メダル)と共に平泳ぎ種目で世界水泳福岡大会に出場している。
「かつては水泳でも競技、練習前にストレッチをやっていた時代があったんです。それが10年前くらいから『体幹』ということが言われるようになり、柔軟性を変化させるには3ヶ月くらいかかることがわかり、故障を発生させないために『自分の特長をいかに推進力へ変えていくか』という考え方になってきました。ですので、伸ばす・緩めるような静的ストレッチよりも体を温める動的ストレッチを入れて、僕らはプールに入るんです」

- 寺下 友徳
- 生年月日:1971年12月17日
- 出身地:福井県生まれの東京都東村山市育ち
- ■ 経歴
國學院大學久我山高→亜細亜大。
幼稚園、小学校では身長順で並ぶと常に一番後ろ。ただし、自他共に認める運動音痴から小学校入学時、早々に競技生活を断念。その後は大好きなスポーツに側面から関わることを志し、大学では応援指導部で4年間研鑽を積む。亜細亜大卒業後はファーストフード販売業に始まり、ビルメンテナンス営業からフリーターへと波乱万丈の人生を送っていたが、04年10月にサッカーを通じて知り合った編集者からのアドバイスをきっかけに晴れてフリーライター業に転進。07年2月からは埼玉県所沢市から愛媛県松山市へと居を移し、現在は四国地域を中心としたスポーツを追いかける日々を過ごす。 - ■ 小学校2年時に福岡からやってきた西武ライオンズが野球と出会うきっかけ。小・中学校時代では暇さえあれば足を運んでいた西武球場で、高校では夏の西東京予選の応援で、そして大学では部活のフィールドだった神宮球場で様々な野球を体感。その経験が取材や原稿作成の際に「原体験」となって活きていることを今になってつくづく感じている。
- ■ 執筆実績
web上では『ベースボールドットコム』(高校野球ドットコム、社会人野球ドットコム、独立リーグドットコム)、書籍では『ホームラン』、『野球太郎』(いずれも廣済堂出版)、『週刊ベースボール』(ベースボール・マガジン社)など。『甲子園だけが高校野球ではない2』(監修・岩崎夏海、廣済堂出版)でも6話分の取材・文を担当した。
さらに野球以外でもサッカーでは、デイリースポーツ四国3県(香川・高知・愛媛)版・毎週木曜不定期連載中の『スポーツライター寺下友徳・愛媛一丸奮闘記』をはじめ、「週刊サッカーダイジェスト」(日本スポーツ企画社)、『サッカー批評』、web『スポーツナビ』など多数媒体での執筆実績あり。また、愛媛県を熱くするスポーツ雑誌『EPS(ehime photo sports)』でも取材協力を行っている。 - ■ ブログ:『寺下友徳の「四国の国からこんにちは」』■twitterアカウント@t_terashita
■facebook: http://www.facebook.com/tomonori.terashita