Column

失うものは何もない!

2016.03.29

遠藤友彦の人間力!

 他校との練習試合解禁となり、全国各地で試合が行われています。最初は昨年の主力が出場しますが、控え選手の出番はもう少し後です。チームサポートをして練習試合を見る機会が多くありますが、「あれ、昨年できていたことができていない」と指導者が嘆いています。

失うものは何もない!

大胆に勇氣を持って動くことが重要(写真はイメージ)

 試合感覚が戻らずに、昨年主力だった選手がスタートでつまずきます。控え選手は「必ずチャンスが来る」と思って準備を怠らないことです。主力がやらかして順番が回ってきたときに「えっ、僕ですか」と慌てているようではいけません。「はい、大丈夫です!」と準備万端で挑みたいものです。

 起用されたときに「失敗しないように」という感覚ではダメです。無難にやろうと思えば、大した動きはできません。

 失うものは何もない!

 チャンスが回ってくれば大胆に勇氣を持って動くことです。打撃機会はもちろんのこと、守備機会でも【攻める】という積極性は重要です。

 指導者からみれば守りに入っての(消極的な)ミスは、がっかりします。折角起用したのにそれか・・と思うものです。積極的に攻めた結果のミスは、「うんうん」と納得します。ミスをしてもその内容が重要なのです。
指導者はミスをした後も見ています。

・落ち込んで声も出ていない
・大声で元氣を出している

 どうしても控えの期間が長くなれば消極的になります。指導者も「覇氣がない」「元氣がない」「大人しい」というイメージを控え選手に持っているはずです。プレーでアピールできなくても、「こいつ変わったな」と思わせることはレギュラー獲得への一歩目です。

 大人しいというイメージがあるのですから、逆に思い切り元氣を出せばインパクトは大きくなります。「えっ、こいつが」と普段のイメージもがらっと変わることでしょう。

 もちろんプレーで活躍すれば良いのですが、マイナスの結果でも「次もチャンスを」と思わせられるかどうかです。

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[page_break:心の準備と身体の準備]

心の準備と身体の準備

出場機会に向けて心の準備と身体の準備を(写真はイメージ)

 主力とのレギュラー争いだけじゃなく、控え同士でのレギュラー争いもあります。私が社会人野球選手時代、ベテラン捕手が試合中に大怪我をしました。控え捕手は、私とひとつ年上の先輩がいました。急遽、控え同士のレギュラー争いです。

 ひとつ年上の先輩はチャンスが回ってきて、「まさか」という感じです。控え同士なのでチャンスは均等に与えられましたが、心と身体の準備不足であった先輩は結果を残せません。ミスをして元氣なく覇氣のないプレーの連続です。

 一方私は、結果も残しましたが「ようやくきた」という感じで、うまくいってもミスをしても「おりゃー」というテンションでプレーしました。当然、技術的には乏しかった私にGOサインが出て、大事な大会でマスクをかぶることになったのです。

 いつどこでチャンスが回ってくるか分からないのが野球です。野手であれば突発的な怪我もあるし、投手であれば疲労による肩肘痛もあります。いつ来るか分からない機会に向けて、心の準備と身体の準備をしてくことです。そしてチャンスをもらえば「失うものは何もない」と考えて、大胆に動けばいいのです。

 この文章を読めば「そうだよね」と思うでしょうが、チャンスをものにできない選手は真逆のことをしています。折角のチャンスで心臓がバクバクして消極的に動き、ちょっとしたミスで下を向いているのです。

 大胆に動くということは、何も考えずに突進することではありません。頭の整理をしてその時に意識することに集中しながらプレーします。今冬してきた試合感覚での積み重ねを、もらったチャンスで試せばいいのです。自分の強みを感じながら、一点集中で攻めればいいのです。

 競争は最後まで分からない・・私が何年も現役選手としてプレーをして、何年も高校野球を指導してきて思うことです。現在、控えという位置づけの選手は頑張って欲しいです。

(文=遠藤 友彦


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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