読書のすすめ

印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

第32回 野球ノートに書いた甲子園3 高校野球ドットコム編集部 KKベストセラーズ2015年09月13日

■ Amazon.co.jpで購入する
■ 楽天ブックスで購入する
■ セブンネットショッピング

書評

野球ノートに書いた甲子園3

 毎日練習を行うことと同じように、「野球ノート」を書くことが自分自身やチームにとって大きな力となり財産となる。野球ノートの習慣を実践し、チームの力にしている6校を取材したシリーズ第3弾が刊行されました。今回登場する6校(佐賀北高校、健大高崎高校、向上高校、四條畷高校、静岡高校、松商学園高校)の野球ノートに対する取り組み方は、一人一人野球ノートを書いて、監督に提出するスタイルから一冊のノートを全員で書く交換日記型式のものまでさまざま。ここに共通するのは書くことでコミュニケーションの補完になっているという点が挙げられます。

 佐賀北高校では毎日選手が監督に野球ノートを提出することが約束事となっています。こうしたノートのやり取りでは、直接面と向かって言いにくいことでも、ノートに自分の思いを書いて提出すると監督からコメントをもらえたり、さらに問題点を指摘されたりすることによって、監督と選手それぞれの思いを共有することができます。

 例えばケガからの復帰を目指す古賀 佑太朗選手の野球ノートには、プレーが出来ないことへの焦りやいらだちが随所に現れており、そこを百﨑 敏克監督は親身になってアドバイスをしたり、時には厳しい言葉で甘えを指摘したりしながら、夏の大会に向けた古賀選手の復帰を後押しします。もちろん直接的なコミュニケーションも大切ですが、一対多数では十分に行き届かないことや誤解を招くといったこともあるでしょう。野球ノートを通じてのやり取りは、選手の本音に近づける手段の一つとして大いに活用できるという一例だと思います。

 また府内有数の進学校として知られる四條畷高校も、野球ノートに取り組むチームの一つです。こちらは一冊のノートを監督と女子マネージャーを含む野球部員で毎日つなぎ、書き残していくというもの。部員数が多くなるとそれだけ書く機会が減ってしまうということにもなりますが、他の部員がどう感じてどのような思いで野球をやっているのか、それに対する監督のコメントなどを部員全員で共有することができます。

「たとえ練習中に野球ノートを読んでいても問題ない。ノートを読むことも練習だ」とは辻野 茂樹監督の言葉。書く機会が少なくても前回書いた1ヶ月前の状態よりも内容が良くなっていたり、逆に気持ちの面でムラが出ているのでサポートが必要だと感じさせられたりと、野球ノートが気づかせてくれることはたくさんあります。

「最後まで続けたら絶対いいことがあるから」と後輩マネージャーに野球ノートを託したマネージャーの宮部 梨花さん。「チームを支える」のではなく「チームを創る」。野球部員に結束力が生まれ、一丸となって試合に臨む姿は野球ノートによって培われたものが大きいと感じさせられました。

(書評:西村 典子

野球ノートに書いた甲子園・WEBSITE版もあわせてチェック!

このページのトップへ

 『野球ノートに書いた甲子園3』 特設ページ
この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
第5回 センバツの要注目は来田、中森らの6名!ではブレイク候補だったドラフト候補17名は?【センバツ2020】
第1141回 入学当初の実力は同学年でも下位。下慎之介(健大高崎)がドラフト候補左腕まで成長できた理由 【2020年インタビュー】
第1016回 機動破壊から投手王国へ 健大高崎の投手育成改革【野球部訪問】
第1134回 小学生で遠投86m 超強肩捕手・戸丸秦吾(健大高崎)の逸話がすごい!!そのスローイングの秘密を大公開! 【2020年インタビュー】
第1014回 健大高崎(群馬)の練習メニューを大公開!高校野球のレベルを超えたハイレベルな内容だった!【野球部訪問】
第6回 安中総合(群馬)「健大高崎、前橋育英、桐生第一を打ち破れ!」【冬が僕らを強くする2020】
第999回 世代屈指の剛腕・高橋(中京大中京)など東日本注目投手16名リスト!【大会展望・総括コラム】
第1082回 投手の良さを引き出すことが実力の見せどころ。戸丸秦吾(健大高崎)は捕手の鏡ともいえる考えの持ち主だった! 【2019年インタビュー】
中京大中京vs健大高崎【2019年 第五十回記念 明治神宮野球大会】
健大高崎vs白樺学園【2019年 第五十回記念 明治神宮野球大会】
健大高崎vs明豊【2019年 第五十回記念 明治神宮野球大会】
健大高崎vs倉敷商【2019年 第五十回記念 明治神宮野球大会】
健大高崎vs山梨学院【2019年秋の大会 第72回秋季関東大会】
第1031回 「全力少女シリーズ」の主演・池田朱那さん 「いつか野球の仕事がしたかった」 【2019年インタビュー】
第945回 自省を繰り返し、高クオリティな速球派右腕へ 岩本大地(石岡一)【前編】 【2019年インタビュー】
健大高崎 【高校別データ】
向上 【高校別データ】
佐賀北 【高校別データ】
静岡 【高校別データ】
四條畷 【高校別データ】
松商学園 【高校別データ】

プロフィール

西村典子
西村 典子 トレーナー
  • ■ 生年月日:1970年12月5日
  • ■ 出身地:大阪府
  • 奈良女子大学文学部教育学科体育学専攻卒。野球用品メーカーにて勤務後、トレーナーとして10年以上にわたり高校野球・大学野球の現場にたずさわる。野球現場での活動を通して自分たちで自分の体をマネジメントする「セルフコンディショニング」の重要性を感じ、チーム・選手・指導者にむけてスポーツ傷害予防や応急処置、トレーニング(ストレングス&コンディショニング)に関する教育啓蒙活動を行っている。

    一般雑誌、専門誌、ネットなどでも取材・執筆活動中。また整形外科ドクターと野球の傷害予防に関する共同研究活動なども行っている(現在の研究テーマは手指血行障害について)。

    現在、東海大学硬式野球部アスレティックトレーナーをはじめ、さまざまな高校野球部を担当中。
  • ・日本体育協会公認アスレティックトレーナー
    ・NSCA公認ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト(CSCS)
    ・NSCA公認パーソナルトレーナー(NSCA-CPT)
    ・日本スポーツ整形外科学会会員 等
  • 講演依頼はこちら
    講演・セミナー依頼受付中
  • 部室に一枚!!RICEポスターを無料配布中!!ダウンロードはこちらからDownload


ケガに強くなる!セルフコンディショニングのススメ
コラムトップに戻る サイトトップに戻る

コラム