才能を伸ばすシンプルな本 ダニエル・コイル著 サンマーク出版
■ Amazon.co.jpで購入する
■ 楽天ブックスで購入する
■ セブンネットショッピング
書評
練習をするからには上手くなりたいと思うのは当然のこと。でも「センスがないから」「身体が大きくないから」「環境に恵まれないから」といったことを言い訳にして、自分の才能に自分で見切りをつけてしまったり、あきらめたりしてしまうことはありませんか。練習するためには「練習の質と量」が大切です。時には基本動作を繰り返して量を積むことも必要、そして正しい練習を行うことも必要なのです。今回ご紹介する本は「才能を伸ばすシンプルな本」。世界各地で「才能開発所」とよばれる、世界的な逸材を輩出し続けているところを訪ね、世界レベルの人材が次々と登場するその謎を解明し、共通するシンプルな法則をまとめたものです。
基本的な事実として確認しておきたいことは、
1)人はみな才能をもっている
2)人々は自分の才能を存分に発揮する方法を知らない
ということ。こうした方法について、「はじめる」「スキルを伸ばす」「上達を維持する」という3つの段階に分けてその法則を紹介しています。
スキルを伸ばすためのポイントとしては「背伸びをすること」。現在の能力を超えて自分を伸ばすために、スイートスポットとよばれる困難なゾーンを体験すること(P60)がカギだと述べられています。成功する確率が50~80%のスキル練習を繰り返し行うこと。そしてこうした練習は時間を決めるのではなく、出来た回数を目標に立てることが大切で、そのためには「腕時計を外そう」と提案しています。こうしたスキル練習は1週間に1時間ではなく、1日5分を毎日行うこと。皆さんも日々練習に励んでいると思いますが、毎日の練習はたとえそれが5分間の短い練習でも、脳の成長を促進する(P76)のです。
「小さな行動を何度も繰り返すと人間は変わっていく」(P8)
この本を読んでみると、才能を伸ばす方法というのはシンプルであるがゆえに、継続することがむずかしいと感じました。52の秘訣が書かれていますので、出来そうなところからチャレンジしてみるのもいいかもしれません。効果的な練習方法を身につけるためにも、ぜひ読んでもらいたい一冊です。
(書評:西村典子)