Column

心の伸びしろ 石井琢朗著 ベストセラーズ

2013.06.01

読書のすすめ




■ Amazon.co.jpで購入する


■ 楽天ブックスで購入する


■ セブンネットショッピング

書評

「走攻守それぞれの伸びしろで形成する三角形に、心の伸びしろの1点を加えて四角形にすれば、図形の面積は倍以上に増えます。(年齢とともに走攻守の)三角形が小さくなっていき、チームの勝利に貢献できない自分には新たな発見でした」

 現在、広島東洋カープの守備・走塁コーチを務める石井琢朗氏は3月末に刊行された著書「心の伸びしろ 意識を変えれば自分が変わる」の中でそう書いています。
野球というスポーツは、選手一人ひとりに求められる役割が変わってきます。石井琢朗氏は、その全盛期には常に試合に出るのが当たり前の存在、チームに欠かせない中心選手でした。しかし、年齢、環境や体力的な変化もあいまり、ベンチを温める日がやってきます。

「自分はもう選手として成長できないのか」
「チームが勝つために、自分が果たすべき役割とは何なのか」――。

自問自答の日々が続き、見出した答えが「心の伸びしろ」を育てるということでした。これは、コーチになった今も石井琢朗氏がひとつのモットーにしていることです。
「自分の心の伸びしろを意識し始めたことで気づけたことはたくさんありました。過去、不要だと思っていたことには実は重要なヒントがあったこと。無駄な努力はないこと。そしていまいるポジションが、それが例えば逆境であってもベストポジションであること。それらをいかにして、選手たちに気づかせてあげられるか。選手たちの技術的な伸びしろだけじゃなく、心の伸びしろを育ててあげられるかどうか。コーチとしての僕の使命になります」

 現役の最後の4年間を広島カープで過ごした石井琢朗氏は、積極的に若手にアドバイスをしていきました。現在、カープに欠かせない存在となっている堂林翔太選手や、菊池涼介選手などはその薫陶を十二分に受けてきた選手たちです。
 2000本安打を達成するなど球界を代表する技術を誇った氏が、現役を引退して振り返ったときに感じた重要なこと。それが「心」であることは、野球人にとって重要な示唆となっているのではないでしょうか。

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.16

【群馬】前橋が0封勝利、東農大二はコールド発進<春季大会>

2024.04.15

【春季東京都大会】日大豊山、注目の好投手を攻略し、コールド勝ち!指揮官「うちが東京を勝ち上がるには機動力しかない」

2024.04.16

社会人野球に復帰した元巨人ドライチ・桜井俊貴「もう一度東京ドームのマウンドに立ちたい」

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.10

【沖縄】エナジックが初優勝<春季大会の結果>

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.11

【千葉】中央学院は成田と磯辺の勝者と対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>