第22回 國學院大学【後編】「自律とは日常生活での自分との勝負」2016年01月05日

【目次】(ページ下部のフォトギャラリーもチェック!)
[1]「自律」とは日常生活での自分との勝負
[2]大学野球を通じて「投資」を「還元」できる人間になる
東都大学野球を代表する強豪大学・國學院大。その秘密は4年生を主体にしたチーム運営にありました。後編では國學院大が考える「自律」とは何か?に迫っていきます。
鳥山 泰孝監督が掲げる「4年生野球」に迫った前編はこちらから!
「自律」とは日常生活での自分との勝負

久保田 昌也主将(國學院大学)
小学時代からずっとキャプテンだった久保田 昌也主将は、チームを昨年のチーム以上に“自立したチーム”にするために「自分が先頭に立っていくつもりですし、苦しいことにも自ら飛び込んでいかなければならないと思っています」と意気込む。だがその一方で「高校時代は“根性論”が優先して強い言葉で伝えることもありましたが、大学生は大人なので、どうすれば伝わるか、考えながら話すようにしている」という。
また久保田主将は「自立」するには、「自律」も必要だと考えている。
「人から言われるのではなく、自分の中でルールを作って、それをいかに妥協しないで実行するか。これは自分との勝負だとも思います。たとえば“ゴミが落ちていたら拾う”と決めたら、どんな時も拾う。まあいいか、と見て見ぬ振りをしたら、自分との勝負に負けたことになりますからね」
久保田主将の母校である、甲子園最多出場回数(72回)を誇る龍谷大平安高では「たとえ野球が上手でも、人間性が伴っていなければレギュラーになれなかった」という。
「ですから野球以外の部分が大事だと、高校時代から認識していますし、コンスタントに力を出すためには、日常生活こそがカギになると思っています」
野球とは直接関係ないことの積み重ねも、試合でのビッグプレーを生む要因になる―。そういえば甲子園30勝監督で、國學院大の一部定着の礎を築いた竹田 利秋総監督はこんなことを言っていた。
「一見野球とは関係ないところ、それが野球では一番大切なんですよ」
その意識は脈々と現在のチームにも受け継がれている。
【次のページ】 大学野球を通じて「投資」を「還元」できる人間になる