軸と4スタンス理論
第5回 軸と4スタンス理論2012年01月05日
基本→オリジナリティの構図が大切
【廣戸道場 廣戸聡一先生】
前回は万人に共通する「軸」についてお話ししてきました。軸をつくるには5ポイントのパーツをそろえること、軸をつくるとパフォーマンスが向上することなど、すべての人が基礎とすべき事実を述べました。
これらは体のなかのルールであって、ルールを守らないとものごと(運動)が成立しないようになっています。このルールをそれぞれの競技に落とし込んでいくことで、そのスポーツの「基本」が生まれてきます。すると自分の動きやすい形や方法などが見えてくるようになる。基本がきちんとできてから「オリジナリティ」へと発展していくのです。
これこそ純粋な進歩の仕方であって、きちんと段階を踏んでいかなくてはいけません。大切なものをすっとばして上手くなろうと思っても、そこには必ずひずみが生まれてきます。こうしたことを理解したうえで、私がこれから解説することを読んでほしいと思います。
4スタンス理論とは?
【正しい動きからは4種類ある】
『4スタンス理論』は私の代名詞のようにもなりました。お陰さまでたくさんの機会を与えていただき、いろいろなところで紹介をさせていただいたからだと思います。
しかしながら、本当に大切なところが抜けていたり、断片的にしか理論をとらえていなかったりという現実があります。先にも述べたように、軸のつくり方がまるっきりできていないのに個性を伸ばそうとしても難しいのです。
皆さんはそのあたりを押さえているという前提でお話ししたいと思います。
4スタンス理論の肝というのは、「軸のつくり方」にあります。軸をつくるという行為は万人に共通した事実なのですが、このつくり方や手順に違いがあるのです。例えば、イチロー選手のように前の脚を軸にしてスイングする選手もいれば、松井選手のように後ろ側を軸にする選手もいます。また、腕を真っすぐに振った方が速く走れる人もいれば、少しクロス気味に振った方がいいという人もいます。これを逆にしてやろうとしても、絶対にうまくできないものです。これこそが4スタンスの入り口といえます。
この「正しい動き方」というのは、4種類あって、そこから4スタンスという呼び方はできました。私はこれをA1タイプ、A2タイプ、B1タイプ、B2タイプと名付けて分類しています。このどれが優れているとか、不利だとかということはありません。生まれ持った個性であり、練習をしても基本的には違うタイプの動きはしっくりこないようにできています。A1の選手にB1の動きをさせようとしてもできませんし、場合によってはケガをすることもあるでしょう。指導者が経験則で指導してしまって、自分と異なったタイプの選手をダメにしてしまう…なんてこともたくさん見てきました。
そこで大切なのは、自分がどのタイプなのか、どんな動きをすべきなのかを知ることにあるのです。
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■次回の廣戸聡一の4スタンス理論の公開は2012年01月12日予定です。お楽しみに!