Column

神村学園高等学校 【九州代表】

2011.11.22

第42回明治神宮野球大会 チーム紹介 神村学園高等学校 【九州代表】

神村学園高等学校九州地区・鹿児島初出場

チーム紹介

  • 九州大会(第129回九州地区高校野球大会)では4試合全てで二桁安打、チーム打率は3割9分9厘と打線が好調だった。1番の新納(にいろ)をはじめ、全試合でヒットを放ったのが4人。3番の平藪も欠場した準決勝(2011年10月27日)以外は全てヒットを放った。その平藪は左投げ右打ちという珍しい選手だが、「野球をはじめたときからこの形です」と話す。
  • 中野と二河は8番、9番ながらともに5割。特に6打点を挙げた二河のバッティングはとても9番打者には見えないほどのインパクトを残した。
  • もう一つ攻撃で目についたのが走塁。初戦の長崎日大戦(2011年10月24日)ではやや暴走気味になる面もあったが、常に一つ先の塁を狙う姿勢が、相手守備陣にプレッシャーをかけていた。
  • チームが最も苦しんだのが準々決勝の大分戦(2011年10月25日)。連投の平藪が終盤に捕まり逆転された。相手の全校応援にも圧倒され、山本監督は「もうダメかと思った」と感じていたが、直後にボテボテの内野安打からチャンスを作ると、中野と二河の連続タイムリーで再逆転に成功。「チームが本当の意味で一丸となれた」と指揮官は声を詰まらせるほどだった。
  • 攻撃中、一塁コーチは17番の河野が、三塁コーチは16番の藤田が務めている。また大分戦で内野安打を放った上池は代打の切り札、14番の永尾と20番の松木は代走で起用されることが多い。
  • 守りの要はキャッチャーの中野で、山本監督と投手陣が「後ろに逸らさない」と全幅の信頼を置いている。内野ではセカンドの田中の堅守が光る。試合終盤ではショートに回り、二河がファーストを守ることが多かった。その場合のセカンドには永尾が入る。
  • 弥栄(みえ)主将は「目標だった神宮大会出場ができたが、もっと下半身をパワーアップしたい」と更なる打力強化をテーマに全国の強豪に挑む。

投手紹介

  • 九州大会3試合で先発した左腕の平藪がエース。直球の最速は136キロでカーブ、スライダー、チェンジアップを持つ。初戦の長崎日大戦で13奪三振。決勝(2011年10月28日)では強打の九州学院を6安打1点に抑えるなど安定したピッチングが目立った。一方で準々決勝の大分戦では甘くなる球が多く、痛打される場面があった。現時点で連投は課題と言えるだろう。
  • 平藪が苦しんだ大分戦でリリーフし、準決勝の別府青山戦で完投したのが背番号19の柿澤。最速145キロを誇る本格派で、今夏の甲子園でも登板経験がある。持ち球もシンカー、スライダー、カットボールと多彩。ただ山本監督は「精神的に幼い部分がある」と現チームでエースにしなかった理由を話す。心の部分での成長が大きな課題だ。
  • 九州では出番がなかったがキャプテンの弥栄(みえ)も投手で、今夏の甲子園では左腕対策用の打撃投手として帯同。カーブとスライダーが主体で、気持ちを前面に出すピッチングスタイルが特徴。

公式戦10勝0敗

  勝ち上がり   相手
鹿児島県大会 2回戦 6-0 薩摩中央
3回戦 6-0 鹿児島東
4回戦 6-1 鹿児島情報
準々決勝 14-0 志布志
準決勝 16-2 松陽
決勝 4-1 鹿児島城西
九州大会 2回戦 5-2 長﨑日大
準々決勝 7-6 大分
準決勝 6-2 別府青山
決勝 8-1 九州学院

九州大会での登録選手(◎:主将)

背番号   名前 学年 身長 体重
1   平藪 樹一郎 2 170 67
2   中野 大介 2 174 68
3   大坪 直希 1 172 78
4   田中 貢大 2 166 66
5   中園 史剛 2 171 76
6   二河 拓馬 2 174 70
7   瀬口 拓也 2 178 71
8   新納 真哉 2 174 66
9   古賀 伊織 2 177 75
10 弥栄 翼 2 168 60
11   享保 凌平 2 168 62
12   山口 達也 2 172 74
13   上池 孝治 2 174 78
14   永尾 稜 2 168 62
15   山下 耕正 2 181 90
16   藤田 直人 2 175 65
17   河野 賢太朗 2 168 62
18   黒木 隼斗 2 174 70
19   柿澤 貴裕 2 177 77
20   松木 隆成 1 174 66
記録員 大町 燎太朗
監督 山本 常夫
部長 六反田 統

決勝でのオーダー

ポジション 名前
新納 真哉
田中 貢大
平藪 樹一郎
古賀 伊織
大坪 直希
山下 耕正
中園 史剛
中野 大介
二河 拓馬

■高校別データ:神村学園

文:松倉雄太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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