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第7回 日本一の三塁ベースコーチに聞く! 阪神・高代延博コーチが語る「チームで高める走塁術」2014年12月20日

「今は高校野球でも三塁コーチャーを専門とする選手がベンチ入りするケースが珍しくないみたいですね。高校生、プロ問わず、ものすごく大事なポジションですから」

 インタビュー開始早々、阪神の一軍内野守備走塁コーチを務める高代 延博コーチはそう切り出した。

 智辯学園高、法政大、社会人の名門・東芝を経て78年ドラフト一位で日本ハムに入団し、走攻守揃った遊撃手として活躍。現役引退後は広島、中日、日本ハム、ロッテ、オリックスなどでコーチを歴任。09年、13年にはWBCで侍ジャパンの内野守備走塁コーチも務めたプロ野球界の名三塁コーチャーだ。その高代コーチに三塁コーチャーの重要性、指示の仕方などを伺った。

【目次】
[1] 高校野球での三塁コーチャーの重要性/三塁コーチャーの指示管轄はどこまで?
[2] 指示を出す際に心がけるべきこと

高校野球での三塁コーチャーの重要性

阪神・高代延博コーチ

 高代コーチは三塁コーチャーの重要性に関してこう語る。

「プロとは違ってサインを出す必要はないから、高校生の三塁ランナーコーチにとっての最大の仕事は指示ですね。
例えば、味方のランナーが気づかないうちに相手の野手陣がポジショニングを変えた時は『ライト前にきたぞ!』『レフトライン際寄ったよ!』といった情報をランナーに伝える。

 ランナーが三塁にいるときは、キャッチャーが投球をはじいた場合、迷ったときにゴーなのか、それとも迷ったらストップなのか。ゴロが飛んだ場合、ゴロなら全てゴーなのか、ショート、セカンドに飛んだ場合のみゴーなのか。ケース別の決め事などを走者に伝えていく。

 高校野球の場合は監督がその決め事の決定権を握ってる場合が多いでしょうが、監督よりもランナーの近くにいるコーチャーが確認、徹底することで、ミスは減り、チーム力も上がります」

 優秀な三塁コーチャーはチーム力を上げることも可能なのだ。

三塁コーチャーの指示管轄はどこまで?

 三塁コーチャーの仕事で多くの人が思い浮かべるのが、自軍の走者が次の塁を狙うべきなのか、ストップなのか。その判断を瞬時に下し、声とジェスチャーで走者に伝えるシーンだろう。

 高代コーチによれば「打球の行方をランナーが確認できるのならば、次の塁を奪うか、止まるか、といった判断はコーチャーではなく、ランナーが自分自身でおこなうのが鉄則」だという。
「例えば一塁にランナーがいて、打者がセンター前にヒットを打ったとします。この時に一塁ランナーが三塁を狙うかどうか、という判断を三塁コーチャーに仰ぐ必要はない。自分の目で打球を追うことができるわけですから」

 ランナーが三塁コーチャーの「ゴー・ストップ」の指示を仰ぐケースは

(1) 走者が三塁を回って本塁突入のシーン。
(2) 一塁走者が自分の目で確認しながら走ることが出来ない、ライト線寄りに打球が飛んだ場合。
(3) 走者三塁で、犠牲フライになる可能性がある飛球が外野に上がったとき。

 上記の3点にほぼ集中しているという。

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