第2回 投球動作習得ツール『ベタースピン』『アイピッチ』開発秘話2011年07月26日

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 今回、野球専門トレーニングコーチの前田健氏(BCSベースボールパフォーマンス代表)とミズノとの共同開発で、“正しい投球動作習得”の目的に特化した『ベタースピン』と『アイ・ピッチ』を製作し、今年6月20日から発売しています。
 開発するまでに約3年かけたというトレーニング器具ですが、まずは正しい投球動作とはどのような体の使い方をするのか。そして、ベタースピンとアイピッチをどのように練習に取り入れることで、球威や球速アップにつなげることができるのか。その方法と開発秘話を前田健氏に伺いました。


『ベタースピン』、『アイピッチ』とは?

■『ベタースピン』編 

指先の力と、球速は比例する?!指のかかりを習得するベタースピンベタースピンの使い方とは?

■『アイピッチ』編

効果的なステップ動作実現のポイントは軸脚を傾けること?!アイピッチの使い方とは?

 

指先の力と、球速は比例する?!

前田健氏(BCSベースボールパフォーマンス代表)

 効果的な投球動作では、腕は体幹の回転によって振られ、そこには遠心力が働いています。遠心力は外向きに飛び出そうとする力ですから、リリースでは遠心力に対する指先の抑えが大切になります。その両方の力が十分に働いたとき、ボールにスピンがかかります。

 ストレートとスライダーとで10キロくらいの球速差があるのは普通のことですが、誰もが知るように、この両者の身体の使い方、腕の振りは基本的に同じであり、違うのはリリースでの指先のボールの切り方だけです。

 つまり、同じストレートでも、リリースでの指先のかかりの善し悪しの差で、10キロくらい球速に違いが生まれる可能性があることになります。10キロは極端でも、指のかかりが常にいい状態で投げられるようになることで、コンスタントに5キロ以上の球速アップが望める選手はたくさんいるでしょう。

 実際、指先の力が出やすくなるような刺激をトレーニング的に与えた選手が、すぐその場で見た目にスピードが上がり、直後の試合で、それまで125キロが最高だった球速が131キロにまで伸びたこともありました。本人は「指が球にかかるって、こんな感じなんだ!」と、そこで初めて“指にかかる”という感触を体感し、覚えてしまったんですね。

 いいボールを投げるには、当然、リリース以前の身体の使い方が大事ですが、最終的な “かかる”、“かからない”という部分だけでも、球威、球速にかなりの差が生まれているんです。だから、そこをしっかりやらなくては、もったいないなと感じますね。

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プロフィール

前田健
前田健
  • 1968年生まれ 埼玉県出身
  • 筑波大、筑波大大学院で体力トレーニング論を専攻後、社会人野球の日本石油(現JX-ENEOS)で9年間コンディショニングコーチを務める。2003年に阪神タイガース・星野仙一監督から入団を要請され、一軍トレーニングコーチに就任。「野球の動き作りと身体作りの専門家」として選手を改革、同年の18年ぶりのリーグ優勝に貢献した。
  • 現在は兵庫県芦屋市、東京都新宿区、宮城県仙台市に野球の動作改善専門の個人コーチング施設「BCS Baseball Performance」を開設し、プロ、アマ問わず野球選手のパフォーマンス向上をサポートしながら、「動作の仕組みに基づく具体性のある技術論」を野球界に普及させるべく活動している。著書『ピッチングメカニズムブック 理論編・改善編』
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