第15回 体を冷やしたほうがパフォーマンスがアップするってホント?暑さ対策に新提案!2018年03月28日

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【目次】
[1] アメリカで広がりを見せる最先端の技術!
[2] コアを冷やすことにより体内の酵素反応を活性化!

コア・コントロールを使うセリスタ株式会社伊藤承正社長

 球児のみなさんは体のコア(深部)を冷やすということを考えたことがあるでしょうか?野球をしている人にとって、アイシングは今や誰もが知る常識となりましたたが、それとはまた一味違うもののようです。2020年の東京五輪は、過去に類を見ないほどの灼熱の五輪になるとも言われています。近年は夏の甲子園大会でも熱さ対策が問題となるなど、野球界にとっても重大な課題です。

 この「コアを冷やす」という手法が、熱さ問題を解決へと導く一つの手がかりとなるかもしれません。では、体のコアを冷ますことによってどんなことが起こるのか?いったいどうやって冷ますのか?今はまだ分からないことだらけかもしれませんが、もしかしたらこれからの時代の常識となってくるかもしれません。

 今回はアメリカ・スタンフォード大学の研究者らによって開発された「コア・コントロール」という、トップアスリートの間で広まりつつある秘密兵器の輸入・販売を手掛けるセリスタ株式会社の伊藤承正社長にお話を聞くことができました。

アメリカで広がりを見せる最先端の技術!


 コア・コントロールとは、激しい身体活動で上昇した深部体温を、体を傷つけたりすることなく下げることを目的としているものです。アメリカ・スタンフォード大学で開発されたこの技術を使うことによって、深部体温を下げ、精神的または身体活動を行う能力や回復力が向上するというものです。アメリカでは既にアメフト選手などのトップアスリートや、酷暑の中活動する消防士などで徐々に広がっており、日本でも陸上競技や一部のトップアスリートが取り入れ始めてパフォーマンスの向上に役立てているとか。

「数年前に、日本陸連(日本陸上競技連盟)の方から、『2020年の東京オリンピックは過去に類を見ない灼熱のオリンピックになる。選手の熱さ対策に有用な製品を提案してもらいたい』と言われたことから、色々な論文を読んだり、色んな国を見ている中で、スタンフォード大学が開発したこのコア・コントロールという製品を見つけたんです。

 この『手のひらを冷やす』というのはただの手段であって、目的としては体の深部の体温、コア・コントロールのコアというのは体のコア(深部)のことなのですが、体のコアの体温を下げることを目的とした機械です。これはスタンフォード大学の生物学の先生方が開発したものです。開発の経緯としては、元々はアメリカの国防省が暑さ対策のために開発することになったんです。」

手のひらの血管を冷やすことで体のコアの温度を冷やす!


「手のひらにはAVAs(アヴァース)という特殊な血管があるのですが、これが体温調節のための熱交換をしているんです。寒いときには自然とストーブに手をかざすと思うんですけど、これはみんなこの血管がどんな役割を果たしているのか知っているからなんです。車に例えるとラジエーターの機能を持っていて、寒いときには火に手をかざす、逆に体のコアを冷やそうと思ったら、手のひらを冷やせばいいんですね。

 ところが、ただ単に冷やせば良いのかというと、そう単純なものではありません。外部から冷気が当たると、ホメオスタシスと言う体の恒常性機能が働くため、体を温めようという反応が起きてしまいます。ですから、体のコアを冷やしたいときに氷水でキンキンに冷やしてしまうと、血管が収縮してしまい、逆効果です。

 コア・コントロールは、筒の中に手を入れて、ここから空気を吸いだして陰圧がかかった状態にします。これにより血管を膨張させて、血流を確保します。ここに、12~15度の適温に冷やされた水を流すことで手に当たるパットを冷やし、血液を冷やします。そこまで難しい機械ではありませんので、練習中に手を流水に当てて冷やしたり、タオルを巻いた保冷剤を握るというだけでも、似たような効果が得られるのではないかと思います。」

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