Column

思考を変えて自分を見つめる

2011.03.15

保田貴史の「年間トレーニング計画」

思考を変えて自分を見つめる2011年03月15日

冬季練習中【鵡川高校】

高校野球情報.comをご覧の皆様、はじめましてトレーナーをしております保田貴史と申します。私自身も元高校球児です。高校球児の何か力になれればと思います。
このコラムはシーズンごとに必要なトレーニング知識を提供していきます。
身体に関する知識を得ることでトレーニングだけでなく練習やコンディションにも反映されるのではと思います。

トレーニングの仕方が変わる。練習の内容、意味が変わる。怪我の予防になる。

第一回のコラムではある選手の取り組みを例に、動きの修正とトレーニングのアイディアを掲載しています。
形ではなく、その内容について注目していただき、参考になればと考えます。

【思考を変える・自分を見つめる】

練習中、監督に「自分を変えないといけない。ほかの選手と同じことをしていてもダメだ。違うことをしないと追い越せない」と言われたことはないだろうか。

その時、自分はどのようにしましたか。

素振りの量を増やしたり、走りこみの数を増やしたり人より多くすることを選んだり、色々な方法がありますが、どれも正しいと思います。しかし、やっていくうちにレベルが上がらないなどの理由から継続するのが難しくなってくる。ここで、継続することはすごく大切です。

高校生にスランプはありません。人はまず、やり始めると新しい刺激に反応し打てるようになったりします。技術も体力も同じです。身体に対する刺激が慣れてくると成長が止まります。そこをスランプと判断し、この時期に多くの人はやめてしまうのです。しかしまだこの時期はまだ意識して行っている段階で習得できていません。このフラットの時期も継続して行うと、意識しなくても出来るようになり身体に身につくのです。スランプとは、その後にくるフラットの時期をスランプといいます。プロ野球選手などが、口にするスランプというのはこの時期のことなのです。長年、継続してきてぶつかるものなのです。

だから高校生にスランプはありません。高校生は、成長する可能性を秘めているのです。


冬季練習中【金沢高校】

【継続は力になる】

そのため、継続することは非常に大切です。
すぐに結果が出るような注射のようなものはありません。継続することにより、そこから新しいことに気がついたり、意識しないでどんな状況でも出来るようになったり、自分のものとなっていきます。逆に、そこまで突き詰めないと習得できません。

巨人の内海投手は高校時代、時間があれば走りこんだそうです。決めたことをずっと継続して行ったことが今の身体能力の高さにつながっているのです。

【自分を評価する】

これまでスランプや継続ことについて話してきましたが、監督から自分を変えろと言われたときに進む方向を定めないといけません。方向を定めないと継続して練習に取り組めません。自分に何が必要か判断が必要です。

今の自分には何が必要ですか?見つける方法は多々あると思いますが、一つの例としてこういった思考に変更してみてはいかがでしょうか。

あなたは、結果を気にしてばかりいませんか。結果も大事ですが、続けて結果を残すためには自分がどうのような動きで、どんな感覚があったのかを自分の身体で感じなくては、取り組む方向が定まってきません。

良い時は身体がどういう状態になっていて、どういう感覚で動いていたかを感じ取れるようになってもらいたいのです。「肘が下がっているよ」とか他人の見た目の評価だけでは、自分でその感覚が分からないと同じように動けなくなります。だからボールの結果ではなく、その時の自分自身を見つめるようになってもらいたいと思います。その結果、取り組む内容を決めてもらいたい。だからこそ、自分を見つめて目標を設定することが大切なのです。個人個人、目標は違うのでこのようにすればいいというものはありませんが、次回からは実際にやっている例をいくつか紹介します。

(文=保田 貴史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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