リリースポイント(7)~股関節を曲げる角度とリリースストップエクササイズ~
新年明けましておめでとうございます。本年も投球フォームに関することを皆さんにお伝えしていきたいと思います。お付き合い頂ければと思います。
さて選抜甲子園出場校の選出が、今月末となりました。はたしてどこの高校が選出されるのか?ドキドキですね!地方予選で敗退してしまったチームの選手たちは今が重要な時期です。今春、そして夏に向けて、しっかりと基礎を固めて下さい。
股関節を曲げてリリースポイントを前にする
今回もリリースポイントでのチェックを復習しましょう。
(1)両肩のラインと腕の角度はほぼ一直線(第37回コラム リリースポイント2)
(2)肘は少し伸びるくらい。45°以上曲がらない。(第38回コラム リリースポイント3)
(3)前腕に対して真っ直ぐ。(第39回コラム リリースポイント4)
以上3点が理想のリリースポイントでした。
ではリリースポイントの続きといきましょう。前回説明しました股関節の動き、復習しましょう。
この踏み出し足の股関節をしっかり曲げることが、ボールを低めに投げる、またはコントロールを調節するために重要な動きになります。
踏み出し足の股関節を曲げる理想の角度は?
ではどれくらい曲げれば良いのか?というところを今回説明させて頂きます。よく『前足に体重をしっかりかけろ!』と言われると思うのですが、ただやみくもに体重をかけてもコントロールは良くなりません。踏み出し足に全体重をかけるのは当たり前で(通常の重心移動ができていれば必ず前足に全体重がかかる)、どうやってかけるのか?が重要なのです。
踏み出し足の股関節を曲げることが重要だということは前回説明しましたが、股関節は、曲げ過ぎても良くないのです…ちゃんと理想の角度があるので、それに注意して股関節を曲げるようにして下さい。
その角度は…『45度』です。
多くの投手を見てきましたが、この45度付近でリリースしている選手がほとんどです。
股関節がどれくらい曲がっているかなどは専門家じゃないと分からないので、確認するのは体の傾きで良いです。リリースの瞬間に体の傾きが、地面に対して45度傾いているのか?これをチェックして下さい。
踏み出し足の股関節を曲げなさい、と言うと、曲げ過ぎる選手が多くいますので、その辺は曲がり過ぎていないか?曲がりが不十分じゃないか?これをしっかりと確認することが重要となります。
もちろんこれは投球フォームをビデオに撮影し、リリースポイントでストップして確認しないと分かりませんので、必ず録画機器で撮影して下さいね。今は、スマホやタブレットでも動画撮影し、スローで再生できるアプリが多くありますので、是非それを使ってチェックしてみて下さいね。
[page_break:リリースポイントでストップするエクササイズ]リリースポイントでストップするエクササイズ
エクササイズとしては、このリリースポイントでストップするエクササイズをやってみて下さい。以前から説明している投球側の腕の位置(肘の位置、肘の角度、手首の角度、指の状態)も確認しながら、踏み出した足の股関節をしっかり曲げてストップします。
ここでの注意点ですが、踏み出し足に体重を全部かけるのですから、後ろ足(軸足)に体重がかかったままではいけません。この練習をしたとき、踏み出し足への体重が不十分な選手にはよくこの動作が見られますから注意が必要です。
このエクササイズは踏み出し足の股関節を中心とした下半身のトレーニングになりますので、この冬に是非投手のみならず、やって頂きたいエクササイズとなります。
特に投手は1試合投げきる基礎体力をつける目的で、15回の9セット、これを最低週1回(多くても週3回)行うことが望ましいです。
お尻がパンパンになりますが(笑)、是非チャレンジして下さい。ボールは投げませんので、肩・肘に負担がかからない状態でのエクササイズとなりますので、どんどんやって下さい!!!(もちろん下半身に痛みがでた場合は回数を調節して、近くの整形外科を受診して下さいね)
では次回はグローブ側の話をしたいと思います。
【これまでのリリースポイントについてのコラムもチェックしましょう!】
■リリースポイント~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(2)~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(3)~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(4)~自分のリリースポイント知っていますか?~
■リリースポイント(5)~自分のリリースポイント知っていますか?~
(文・写真:久保田 正一)