正しい腕の振り方(6)~柔軟性を獲得しよう~
柔軟性を獲得しよう
各地区の予選が終了し、来春の選抜甲子園出場校がほぼ確定しているようです。あとは年始の発表を待つのみ。去年は指導していた選手のいる高校が選抜されるかと不安と楽しみが入り混じった感覚でしたが、今年は惜しくも敗退し、春は難しい状況です。是非この悔しさを夏にぶつけて欲しいものです。
今回は柔軟性の話を。今まで話した腕の振り方や、胸の張りですが、柔軟性がなければ動作を獲得することはできません。テイクバックでも同じようなことを言いましたが、柔軟性がなければそこに動きはないのです。ストレッチが大事だということは皆さん耳が痛いほど聞いていると思いますが、それは事実なのです。それほど柔軟性は重要なのです。
しかし更に重要なことは、『どんなストレッチをしているか?』なのです。投球動作に必要ないストレッチをしたところで、投球動作に繋がるわけはありません。しっかりと投球動作に繋がるストレッチを行うことが重要となります。
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ではまず柔軟性のチェックから行ってみましょう。このチェックは、以前説明した、テイクバックの時の柔軟性チェックに非常に似ています。違うポイントが2つありますので、それを紹介したいと思います。
まず、投球側を上に向けて横に寝ます。そして体を捻っていくのですが、テイクバックの時には腕を体側に下ろしたまま体を捻ったと思います。しかしこの腕の振り、胸の張りが必要な柔軟性は腕を上げる必要があります。投球時には腕は頭の上に上げていますから。
ポイントは肘が下がらないこと。肘を耳の位置くらいまで上げた状態で体を捻るのです。ここで肩甲骨の外側と床の間に指が何本入るかをチェックして下さい。理想は肩甲骨の外側と床が着くことですが、最低指3本が入るくらいの柔軟性が欲しいです。
そしてもう1つのポイントですが、お腹を少し前に突き出した状態でストレッチするということです。腕を振る際には骨盤は前に傾き、お腹が前に出た状態となっています。その状態で柔軟性がなければ投球動作に繋がりません。
この2つのポイント、
1.肘を耳の高さ辺りまで上げる
2.お腹を前に軽く突き出す
これを注意しながら体を捻り、柔軟性をチェック、そしてそれをそのままストレッチとして実施して下さい。
ストレッチですが、以前もお伝えしたように、
・伸びている部分を意識して、
・20~30秒間、
・痛くない範囲で、
・何回も、
実施して下さい。
ストレッチは地道な作業です。1ヶ月先、2ヶ月先、そして1年後、2年後まで考えて、毎日実施しましょう!!!継続は力なり。続けるしかありません!!!
(文・写真:久保田 正一)