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球春到来!今、聞きたい!みんなの用具のこだわり ~プロ野球選手 グラブ編~

2016.02.24

 2月に入りプロ野球NPB12球団もキャンプインし、いよいよ野球シーズンのはじまり!キャンプ地では選手たちが色々な用具を使って躍動しています。そこで今回は、一流のプロ野球選手たちの「用具のこだわり」について調査。プロ選手ならではの、細部にわたる「こだわり」を紹介します!

グラブのこだわりポイント調査【ランキング形式】

菅野 智之投手(読売ジャイアンツ)

<1位:グラブの大きさ(サイズ、ポケットの深さなどetc.)>

 まずは、グラブ編。プロの投手たちが最も注意していることは「グラブの大きさ」でした。
大きめ、小さめとそれぞれにこだわりがあり、たとえばフィールディングのよさに定評がある読売ジャイアンツの菅野 智之投手2014年インタビューは「投げる方よりも、あくまで9人目の野手としての機能をグラブに求めているので小さくて、軽いグラブが好きです」とコメント。また「球種が判りにくいようポケットを深めにしてもらっています」と投球時を意識する選手も。

 また、中日ドラゴンズのリリーバー浅尾 拓也投手2012年インタビューは、「大きさは小さめタイプだけど、握りが隠せるように親指の横幅だけを長くしてもらっています」というような、プロ野球選手ならではの細部にわたるこだわりもうかがえました。
その反面、千葉ロッテマリーンズのセットアッパー・益田 直也投手は、「体が変わるごとに、グラブの大きさも変えています」とのこと。昨シーズン途中には「グラブの大きさが、ちょっと大きいなと思ったので、少しだけ小さくしたんですけど、それがしっくりきました」と変化を恐れずチャレンジしたことが好成績につながったということです。

【2015年シーズン成績】

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登板 勝利 敗北 セーブ 投球回 三振 防御率
菅野 智之投手 25 10 11 0 179 126 1.91
浅尾 拓也投手 36 1 1 3 31 34 3.19
益田 直也投手 51 3 2 0 53 42 3.91

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  • 登板
  • 勝利
  • 敗北
  • セーブ
  • 投球回
  • 三振
  • 防御率

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<2位:状況によって複数のグラブを使い分ける>

 次に多かった意見が、「状況によって複数のグラブを使い分ける」でした。今季に絶対守護神復活を期す北海道日本ハムファイターズの武田 久投手が「グラブは試合用と練習用とで完全に分けています」と語るように、きっちりと使い分ける選手もいれば、広島東洋カープの女房役・會澤 翼捕手は「シーズンでは練習用で2つ、試合用で2つ使います。練習用のミットであっても、形が出来てきて手に馴染んだら試合用にすることもあります」というように状況に応じて使い分ける例もありました。

 また、粘りの投球が身上の久保 康友投手(横浜DeNAベイスターズ)は、グラブをつぶして投げるという自らの投球時の特徴を踏まえた上で「投げているうちにグラブがやわらかくなってきてしまうため、常に硬めとやわらかめのグラブを2つ常備しています」というこだわりを話しています。

【2015年シーズン成績】

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登板 勝利 敗北 セーブ 投球回 三振 防御率
久保 康友投手 21 8 7 0 122.1 88 4.12

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  • 登板
  • 勝利
  • 敗北
  • セーブ
  • 投球回
  • 三振
  • 防御率

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[page_break:グラブのこだわりポイント調査 3位~5位]

<3位:ポケット部分のタテトジ、ヨコトジにこだわる>

 プロの選手たちが、さらに細かいこだわりをみせていた部分として「ポケット部分のスタイル」があります。
昨年セ・リーグ覇者、東京ヤクルトスワローズの左腕エース・石川 雅規投手2015年インタビューの場合は、「捕球するときの自分の手の使い方と相性がいい」とタテトジを選択。他にも「捕球面を下にして置くとまず倒れないですし、型も崩れにくいのでタテトジ派です」と型崩れのしにくさを意識する選手もいました。

 一方、ヨコトジを選ぶ選手に理由を聞くと「小指、薬指、中指でグラブを握りつぶすイメージで投げるので、握りつぶしやすい形を選んでいるからです」とのこと。ここにも個々の「こだわり」が見えます。

【2015年シーズン成績】

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登板 勝利 敗北 セーブ 投球回 三振 防御率
石川 雅規投手 25 13 9 0 146.2 90 3.31

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  • 登板
  • 勝利
  • 敗北
  • セーブ
  • 投球回
  • 三振
  • 防御率

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唐川 侑己投手(千葉ロッテマリーンズ)

<4位:グラブの色>

 意外なこだわりだったのが、グラブの「色」。
それぞれの個性が出るグラブにおいて、イメージを決める大きな要因でもある「色」について、投手陣からは、黒(ブラック)系の色を挙げる選手が多く、その理由は「クセが判りにくい」というのが大半の意見でした。

 多彩な変化球を投げ分ける唐川 侑己投手(千葉ロッテマリーンズ2012年インタビューも「昔は黄色を使っていましたが今は黒。暗い色の方がクセを見られにくいと聞いたのが、色を変えた一番の理由」と話し、また一流の野手の先輩から「(グラブの使い方に)クセのあるやつが明るい色を使うと丸わかりだぞ」と指摘を受け黒色のグラブを使うと回答した選手もいました。

 ただ、今季から広島東洋カープからMLBに挑戦の舞台を移す前田 健太投手(ロサンゼルス・ドジャース2013年インタビュー)の場合は「『PL学園高1年生のときにオレンジ色のグラブを使って(大阪府大会を)優勝した』こともあり、色を変えることがあっても、現在はオレンジ色のグラブに落ち着いている」。ゲン担ぎをそのままプロに持ち込んでいる場合もあります。

【2015年シーズン成績】

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登板 勝利 敗北 セーブ 投球回 三振 防御率
唐川 侑己投手 12 5 4 0 62.2 31 6.32
前田 健太投手 29 15 8 0 206.1 175 2.09

[/pc]

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  • 登板
  • 勝利
  • 敗北
  • セーブ
  • 投球回
  • 三振
  • 防御率
  • 唐川侑己投手
  • 12
  • 5
  • 4
  • 0
  • 62.2
  • 31
  • 6.32
  • 前田健太投手
  • 29
  • 15
  • 8
  • 0
  • 206.1
  • 175
  • 2.09

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<5位:手入れの方法>

 高校球児のみなさんも気になる「手入れの方法」。ここにこだわるプロ野球選手の意見も多い結果となりました。
まず、投手陣からは「手入れはタオルでついた土や汚れを落とすくらい。オイルを使うとボールにつきそうなので、なにもつけないです」という意見に代表されるように、オイルを使わない派が多数を占めました。先発投手たちからは「投げ終わった時に手入れをする」声を多く聞きました。

 では、野手の場合は?サード・ファースト・外野の3種類のグラブを持つ阪神タイガースの新井 良太選手2015年インタビューは「手入れは毎日、乾拭きにするかはオイルを塗るかは、その日触った感覚でやっています」とのことです。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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