第17回 高川学園の野球ノート【第3回】 「最後の夏、始まりの夏に書いたこと」2016年08月13日

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高川学園野球部(高川学園高等学校)

〝気〟の文字は、「メ」を「米」とした旧字体。中野寮監が、気という字を書く際につねに使っていた。中林はそれに気づき、理由を聞いた。「気構え」の中に「米」がある。気構えがあり、しっかり米、ご飯を食べてこそ、「元気」「負けん気」……すべての「気」がある、と教えられた。

 中野寮監もまた、このノートを見て多くの感情がこみ上げてきた。
「まさかこんな長文が書かれているとは思わなかったので……グッと堪えながら読みました。でもやっぱりジンときましたね」

 そして、こう返した。

 目に見えない大きな力の働きかけで、最後の場面がこういう結果になったということ。これは達の人生の中でとても大きな財産になるでしょう。結果がどうであれ、あそこで達に回ってきたということは、まぎれもなく達が今まで積み重ねてきたもの!! そしてその悔しさがあるからまた次、頑張れるんやで!! 素晴らしい指導者のほとんどはとてつもなく悔しい経験をしている人ばかり。そして負けん氣がとてもつもなく強い!! これからの残りの時間、後輩の為にも、そして自分の為にも、濃い深いものにして下さい。君らの力があってこその高川です。これからも〝負けん氣〟を強く頑張っていきましょう。

 決勝の激闘の翌日。すでに高川学園野球部の新チームは始動していた。
最上級生となった太田は野球ノートの新たな一ページに新チームへの思いを書き、中林はこれまでの努力がこれからの人生の大きな糧になる、と記した。
引退することになった眞鍋もまた、ノートを書き続けた。前日には、勝てなかった悔しさとチームへの感謝そして後輩への思いを書いていた彼のノートはこうだ。

■7月31日(水)
今日の紅白戦では1、2年生が〝パッ〟と試合が終わってしまったといっていて、それは自分達のペースで試合が出来ていないからだと思う。
相手チームのペースでされていたら点数が離れていると返せなくなる。
どんな状況でも、自分のペースで試合を運ばないといけないと思った。

 引退することになる3年生は18人。そのうち16人がこれからも野球を続けると言う。
高校野球は終わってしまった。それでも彼らの野球は終わらないし、高川学園の野球も終わらない。
彼らの野球ノートに、次の一ページが記されているように。

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