第35回 野球肘研究会代表・高原政利に聞く!肩、肘を守るためには?2014年11月27日

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[1]アイシング、ウォーミングアップがいつもより長いのは故障前のケガの兆候
[2]肩、肘への負担が少ないフォームとは
[3]遠投のやりすぎは危険 10球以内が望ましい
[4]投げ終わった後のケアの仕方が怪我の回避につながる!「スリーパーストレッチ」

肩、肘への負担が少ないフォームとは

図のように肩甲骨をしっかりと内転させる意識で

 まずは投球フォームについて。

 故障が少ない投球フォームにするためには、意識的に動かす部位が3つある。それが肩甲骨、股関節、胸椎の3つだ。

「投球フォームで大事なことは、いかに肩甲骨をよく動かすかということ。肩甲骨を内転して、胸椎を伸展させる。つまり胸を張ることですね。そこから上方回旋。この一連の動作を覚えてください。

真ん中の写真のように体重移動でのポイントは左の股関節を回す意識で
左の写真のように踏み出し足は本塁方向につま先が踏み出せるような形が骨盤を回転しやすい
右の写真はNG。骨盤が回転できないので、手投げになりやすく、肩、肘に負担をかけやすい

 さらに左足を踏み出す時に左の股関節を回転させる動作も大事です。股関節の回転が少ないと下半身の力を使えず、手投げになってしまう恐れがあります。骨盤をいかに回転させることが出来るか。そのためには、足のつま先は真っ直ぐ向いた方が一番回転しやすいのです。たまに、足の向きが横になっている子どもたちを見るのですが、足のつま先が三塁側を向いている場合、うまく旋回ができない“手投げ”になり、肩、肘を痛めやすい動きになります。

左の写真のように軸足はしっかりと蹴り上げる意識で
右の写真のようにグラブを持つ左肩とボールを持つ右肩と右肘のラインが一直線になる投げ方が望ましい

 まとめると投球フォームは“肩甲骨を動かす”、“胸椎を伸展する”、そして“骨盤を回転させる”。また、“リリースするときに軸足をしっかりと蹴る”。この一つ一つのパーツをしっかりと動かすことが大事です。そして右投手の場合、グラブを持つ左肩とボールを持つ右肩と右肘のラインが一直線になる投げ方も、肩肘の負担をかけにくい投げ方になります」

猫背のままだと胸をしっかりと張れないので、肘に負担をかけやすい
左の写真はしっかりと背筋を伸ばして、胸椎を伸展させることができる
右の写真は猫背の写真。胸が張れず、肘が下がったフォームで負担をかけやすい

 高原代表が整形外科に訪れる選手たちに行っているのは、そういう動きの指導と、肩、肘で硬くなった箇所を柔らかくするリハビリテーションだ。また猫背も肘を痛めやすいという。

「今の子は猫背の子が非常に多いです。猫背の状態から胸椎を伸展するのは難しく、猫背の状態で腕に力をぐっと入れてしまうと、肘を痛めやすい要因になるんです」

 さらに、リハビリテーションとしては、どんな鍛え方をしているか。
 「僧帽筋が弱い人が結構多いので、腕を上げる練習をやります。また足の使い方、スクワット、ステップ、骨盤を回転させる練習など、投げる動作に近い練習を繰り返し行います。そこで出来たと思ったら送り出します」

 正しい投球動作の動きを繰り返すことが、ケガの負担を減らすために大切なこととなる。

ベストパフォーマンスを発揮するためのけが予防

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プロフィール

河嶋宗一
副編集長 河嶋 宗一
  • 出身地:千葉県
  • ■ 現場第一主義。球児に届けたい情報とあれば日本だけでなく海外まで飛び回る。
  • ■ 副編集長、またドットコムのスカウト部長と呼ばれ、日本全国の隠れた名選手を探索。
  • ■ 幅広いアンテナと鋭い観察力でダイヤの原石を見つけだす。
  • ■ 編集部の理論派として、今日も球場に足を運ぶ。
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