日本一の気遣いマネに

 岩槻商野球部の選手たちは、3学年合わせても20名に満たない年もあった。そのため、野球部が成長するためには、女子マネージャーの全面的なサポートが必要になってくると須合は感じていた。

 「理想は1人の選手に1マネージャー。そのほうが練習の効率も上がりますし、メンタ―(心の支え)にもなることができる」

 須合は、部員たち同様にマネージャーにも多くの役割を与え、彼女たちの成長を期待していた。
 マネージャーの仕事量は見る見る間に、増えていき、朝から夜遅くまでグラウンドを駆けまわり、選手たちの練習をサポートし続けた。

 まず平日の夕方であれば、16時から部員たちがアップを開始している間に、ライン引きや道具の準備。 練習が始まれば、マシンやノック時の球出しから、「うちのマネージャーの球上げは、日本一を狙えます!」(須合)というティーバッティング時の球出し。ケースノックでは、アウトカウントやランナーの位置を大きな声で伝えるのもマネージャーの仕事となった。

 その間に、練習後に選手たちが食べるご飯とスープを作る担当もいる。翌日の献立を考えたり、練習が終わった夜に買い出しに行くことが彼女たちの日常となった。さらに手が空いたマネージャーは、グラウンドの脇に立ち、選手たちに喝を入れる。

 「ファースト、サード声出せよ!」「ファースト、声がないぞ!」

 キャプテンよりも監督よりも、厳しい声が飛んでくる。

 練習試合でも、彼女たちの一日は忙しい。部員が朝7時集合であれば、朝6時にマネージャー陣は集合する。試合前のグラウンドやベンチの掃除、道具の準備。相手チームに出す「手作り昼食」の準備。また、試合中は、公式戦でスタンドやベンチから的確な声掛けが出来るように、部員に協力してもらって、バックネット裏から球種も覚え、野球を学んだ。
 実際の公式戦では、「バッジ3番、カウント2―1からライトに飛んでるよ!」こんな情報を細かく伝えるのも彼女たちの仕事となったのだ。

PHOTO GALLERY フォトギャラリー

写真をクリックすると拡大写真がご覧になれます。