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150キロに迫る剛腕や甲子園常連校の逸材まで 関東NO.1を目指す大学準硬式の春が開幕

2023.03.13

 いよいよ18日にセンバツが開幕することで、盛り上がっている高校野球界だが、先立って大学準硬式では13日から第65回関東地区大学準硬式野球選手権大会が開幕する。

 隠れた逸材が多く存在するカテゴリーとして、日に日に注目を集める。2022年には甲子園で初となる全国大会開催を試みるなど、大きな一歩を踏み出したことで、例年以上に注目を集めた。

 2023年は65年の節目の1年ということで、甲子園でできた良い流れを止めない意味でも大事な1年となるなかで迎える最初の大会が関東選手権である。勝てば8月の全国大会出場が決まることでも毎年大きな意味があるが、今回は優勝候補を中心に大会を見ていきたい。

全日本王者が1回戦から大会を盛り上げるか

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日本大・中島 健輔主将

 大学準硬式界の雄・中央大(東都)が今大会も注目だ。甲子園大会にも召集された快速左腕・石井 竜弥投手(4年=浦和学院)が最終学年になる。140キロ超える快速球に加えて、切れ味鋭いスライダーは、全国屈指である。他にも140キロ後半をマークする剛腕・大山 北斗投手(2年=興南)など投手陣はもちろん、山崎 大翔捕手(4年=花巻東)など野手陣も甲子園常連の名門出身の逸材が揃う。

 前回の関東大会も優勝し、今大会も優勝候補筆頭の名門に最初に挑んでいくであろう強豪は早稲田大(東京六大学)になるのではないか。どちらも順調に勝ち上がった場合、4回戦で激突する。9月に開催された清瀬杯で優勝した強豪で、今年は大澤 龍登投手(3年=星野)が軸となっていく。初戦から新進気鋭の高崎健康福祉大(北関東)との注目カードだが、勝利して勢いに乗りたい。

 前回の関東大会で準優勝に輝き、中央大の対抗馬の1つに上がる国士舘大(東都)も4回戦で1つの山場を迎えることになりそう。主将であり、エースでもある山崎 陽平投手(4年=横浜隼人)を擁する帝京大(東都)との対戦が考えられる。140キロを超える速球を武器に、22年の全国大会でベスト4に貢献した。一冬越えて、どれだけ成長したかも見逃せない。

 見逃せないという意味では、日本大(東都)の戦いにも注目だ。22年の全国大会覇者で、前述した中央大や帝京大にも勝利して頂点に立った。組織力の高さが光ったが、今大会は1回戦スタート。城西大(東都)との一戦から、頂点を目指していく。

 全国制覇を経験した主将・中島 健輔外野手(4年=日大鶴ヶ丘)は甲子園大会も東日本選抜の主将に抜擢された実力者。このほかにも谷口 健斗外野手(3年=宮崎日大)などのメンバーが、どのように絡んでいくか。

 順調に勝ち上がると、3回戦では北関東リーグの強豪・群馬大、さらに勝ち上がると主力が多く残る国士舘大世田谷(新関東)や國學院大(東都)などの実力校との対戦が待っている。日本大の勝ち上がりが、大会の情勢のカギを握るのは間違いない。

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150キロに迫る剛腕など逸材多数

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注目の剛腕・日比谷 元樹

 中央大の優勝を止める可能性があるチームとして、抑えておきたいのは法政大(東京六大学)と慶應義塾大(東京六大学)の2校だろう。

 法政大は甲子園にも召集された最速145キロ右腕・藤中 壮太投手(3年=鳴門)、制球力の高さが光る古川端晴輝投手(3年=花巻東)の2枚看板は大会屈指だ。

 加えて打線も塩唐松 宏将内野手(4年=鳴門)、唐橋 悠太内野手(4年=桐光学園)、さらに鈴木 歩夢外野手(4年=明星)らを軸に伝統の強力打線が健在である。

 そして慶應義塾大は、世代屈指の剛腕・日比谷 元樹投手(4年=慶應義塾)がいよいよ最終学年になる。150キロに迫る剛速球はもちろん、変化球も切れ味抜群とポテンシャルは群を抜く。

 今大会はシードで3回戦スタートだが、制球力光る岡見 大也投手(3年=慶應藤沢)、長谷川優太(3年=慶應義塾)などが、いかに負担を減らせるか。さらに俊足巧打・吉野智喜外野手(3年=慶應義塾)を軸にした打線の援護も上位進出のカギを握る。

 このほかにも最速139キロ右腕・近野 歩飛投手(3年=神奈川橘)を擁する神奈川大(神奈川)や、全国大会出場が常連になりつつある日本大学三崎町(新関東)がシードで、大会を盛り上げることになるだろう。

 順調に進めば24日に決勝戦が予定されている。大学準硬式に球春到来を告げる今大会。リーグ戦を前に、この大会で一躍ブレークするチームはどこなのか。今回紹介したチーム以外で、いい意味で予想を裏切り、活躍するチームが出てくることを楽しみにしたい。

(文=田中 裕毅

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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