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優勝候補に挙がる大阪桐蔭。140キロ超え6人の投手陣、巧打者と鉄壁の守備陣は優勝を狙える戦力

2023.03.10

優勝候補に挙がる大阪桐蔭。140キロ超え6人の投手陣、巧打者と鉄壁の守備陣は優勝を狙える戦力 | 高校野球ドットコム
松井弘樹、南陽人、南恒誠、前田悠伍、平嶋桂知、境亮陽

 昨年の明治神宮大会では、2年連続の優勝を果たし、今年のセンバツもダントツの優勝候補として期待される大阪桐蔭(大阪)。センバツ前に、今年の戦力について紹介したいと思っていたが、関西学院との練習試合を取材して、その強みが分かった。

【投手】

 140キロ超えの投手が6人。投手力は全国トップクラスだ。

 世代No.1左腕である前田 悠伍投手(3年)の仕上がりは上々。近畿大会でも対決した神戸国際大附(兵庫)とのオープン戦でも完封勝利。8日の関西学院(兵庫)の練習試合後での囲み取材では、この冬の課題として直球の強度を身につける課題はクリアしていると語る。

 センバツへ向けての課題として、「ストライクを取りに行く球ですっと入ってしまうところが課題なので、強い球を投げるためのフォームを見直していきたい」と口にした。前田が本調子なら、簡単に打たれないことは間違いない。世代No.1左腕にふさわしい投球を見せてほしい。

 控え投手も140キロ超えの投手が揃う。140キロ中盤の速球とチェンジアップを武器とする大型右腕・南 恒誠投手(3年)をはじめ、松井 弘樹投手(3年)は140キロ前半の速球をコントロールよく投げ分け、完成度が高い。

 南 陽人投手(2年)は最速145キロの速球と高速変化球で勝負する速球派。173センチと投手としては小柄だが、それを補うほどのスキルの高さがある。186センチの平嶋 桂知投手(2年)も、最速144キロを誇る右腕で、スライダー、カーブ、チェンジアップなど多彩な変化球を投げて勝負するようになり、成長が感じられた。

 二刀流の境 亮陽投手(2年)も最速142キロを誇る。打撃センスも高く、本人は投打ともに活躍することに燃えている。

【野手】

 今年の野手は守備力も高い。

 安定した強肩と投手の持ち味を引き出す好リードが光る強打者・南川 幸輝捕手(3年)、丁寧な一塁守備と巧打でチームを支える佐藤 夢樹内野手(3年)、抜群の二塁守備と、広角に打ち分ける打撃が光る二塁・村本 勇海内野手(3年)、球際が強く、バットコントロールが良い三塁・岸本 真生内野手(3年)、フットワークが軽快で、抜群の強肩が光る大型遊撃手・小川 大地内野手(3年)、外野では、安定したスローイングと守備範囲の広さが光るセンター・長澤 元外野手(3年)、強肩と対応力の高い打撃が光る徳丸 快晴外野手(2年)と、昨年の松尾 汐恩捕手(DeNA)のようなドラフト上位候補を狙えるポテンシャルを持った選手はいないが、どの選手も守備力が高く、見ていて安心できる。

 レフトは秋、安打を連発した山田 太成外野手(3年)ではなく、二刀流・境が出場していた。山田との併用が考えられる。

 守備重視に見えるが、決して打力が低いというわけではなく、どの選手も捉える打球は速く、スイングも鋭い。一気に大量点を取るのではなく、好投手が揃う投手陣と堅い守備で失点を防ぎ、気づいたらセーフティーリードを奪う。そんなチームといえる。

 これまでセンバツで優勝したチームと比較しても遜色なく、優勝を狙える力を持ったチームだ。

 「今年は守りのチーム」と呼ばれるように、安定した守備で試合の主導権を握り、強さを発揮できるか注目していきたい。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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