Column

大谷翔平らメジャーリーガーの合流で勢いづいたWBC日本代表 強化試合2試合を総括

2023.03.09

メジャーリーガー勢揃いで打線が機能する

大谷翔平らメジャーリーガーの合流で勢いづいたWBC日本代表 強化試合2試合を総括 | 高校野球ドットコム
大谷翔平

 8日に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けた侍ジャパンの強化試合の主役は、なんといっても大谷 翔平投手(エンゼルス=花巻東出身)だった。メジャーリーグでもトップクラスのパワーは、多くの観客の度肝を抜いた。

 メジャー組は、直前の合流のため本戦前は2試合しか実戦がないことから不安視をされていたが、それを感じさせない活躍を見せた。

 特に阪神との強化試合では、2打席目に膝をつきながらホームランを放つ。さらに、3打席目にはバットを折りながらホームランを放った。メジャーでもタイトル争いをするほどの実力者でもある大谷が打線の中心になるだろう。

 試合前のフリー打撃でも、日本人離れした飛距離を見せていたが、実戦の舞台でもメジャートップクラスのパワーを見せた。強化試合で既に活躍を見せる大谷だが、後ろを打つ打者の重要性がさらに高まったに違いない。初戦の中国戦から二刀流で出場すると言われている大谷のプレーには注目である。

 また、東京五輪で活躍を見せた吉田 正尚外野手(レッドソックス=敦賀気比出身)も、阪神戦とオリックス戦で、持ち前のクラッチ力を生かし、2試合連続で適時打を放った。吉田は移籍1年目の中でWBCの出場となったが、オリックス時代と同様に積極的に仕掛けていた。三振率の低さを見るとほぼ初見の国際大会は期待できるだろう。

 さらに、メジャー組からはセンターとして期待されるラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)にも注目だ。昨シーズンの四球率は14.7%で、これはメジャーで300打席以上立った打者で6位だった。大会序盤は、アジア・オセアニアとの対戦のため、見慣れないフォームが多いことから、実践的な調整が難しい中で、求められる役割を発揮できるかが注目だ。強化試合では、積極的にスイングを仕掛け、2試合ともにヒットを記録した。

 このヌートバーが出塁し、大谷と吉田を並べた上で、ランナーを返せるかが鍵になっていくだろう。

[page_break:豪華先発投手陣の一角山本由伸は不安が残る内容に]

豪華先発投手陣の一角山本由伸は不安が残る内容に

大谷翔平らメジャーリーガーの合流で勢いづいたWBC日本代表 強化試合2試合を総括 | 高校野球ドットコム
山本由伸

 今年からフォームを変えた山本 由伸投手(オリックス=都城高出身)は不安が残る内容だった。 2年連続沢村賞を獲得した実績はもちろんのこと、プレミア12や東京五輪も経験しているため、球への対応力は高いと思われる。しかし、クイックに近いフォームに変える前の方が良かったように見える。

 山本の場合、国内組の先発投手としては、大事な試合も任される可能性が高いため、復調することが優勝への絶対条件だろう。

 ただ、プレミア12でも大会序盤はあまり調子が上がらない中で、大会中盤あたりから本来のピッチングを取り戻した。元々の能力や対応力の高さを考えると、自らが登板する試合にしっかりと合わせてくれるだろう。

不振だった選手たちがこの2試合で結果を残す

大谷翔平らメジャーリーガーの合流で勢いづいたWBC日本代表 強化試合2試合を総括 | 高校野球ドットコム
村上宗隆、山川穂高

 これまで不振だった村上 宗隆内野手(ヤクルト=九州学院出身)や山川 穂高内野手(西武=中部商出身)は、オリックス戦でホームランを放ち、大会前になんとか結果を残すことができた。

 村上の場合は、日本の4番という重圧があったこともあり、阪神戦まではなかなか結果が出なかった。オリックス戦では、打順を6番に下げて3ランを放ち、最悪な状態からは抜け出して本戦に臨めそうだ。

 長打力が期待される山川は、岡本 和真内野手(巨人=智辯学園出身)や牧 秀悟内野手(DeNA=松本第一出身)がいるため、ベンチスタートになる可能性は高いが、1次ラウンドで出場する際は、一発に期待していきたい。

 投手陣では心配されていた松井 裕樹投手(楽天=桐光学園出身)が、大谷のアドバイスから改善された可能性もあり、阪神戦では復調の兆しが見られた。

 あとは、国際大会の経験豊富な山田 哲人内野手(ヤクルト=履正社出身)の復活が望まれる。山田の場合は、経験値の高さはもちろんのこと、プレミア12や東京五輪の韓国戦で試合を決める一打を放っているため、キーパーソンになるだろう。

 阪神戦、オリックス戦で投打共に調子が上向いた日本の戦いぶりに期待していきたい。

(記事=ゴジキ)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.22

【仙台六大学】東北高で4番を打った1年生・佐藤玲磨が決めた!東北工業大が“サヨナラ返し”

2024.04.22

【春季愛知県大会】日本福祉大附が4点差をはね返して中部大一に逆転勝ち、ベスト8に進出

2024.04.17

仙台育英に”強気の”完投勝利したサウスポーに強力ライバル現る! 「心の緩みがあった」秋の悔しさでチーム内競争激化!【野球部訪問・東陵編②】

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【埼玉】花咲徳栄は伊奈学園と、昌平は正智深谷と初戦で対戦<春季県大会組み合わせ>

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.17

【兵庫】20日にセンバツ準優勝の報徳学園が春初戦!夏の第1シード、第2シードも出揃う予定!

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!