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大阪桐蔭・広陵・仙台育英の三つ巴の争いか?2023年センバツ出場校を分析

2023.01.30

大阪桐蔭・広陵・仙台育英の三つ巴の争いか?

大阪桐蔭・広陵・仙台育英の三つ巴の争いか?2023年センバツ出場校を分析 | 高校野球ドットコム
山田脩也(仙台育英)、前田悠伍(大阪桐蔭)、小林隼翔(広陵)

 2023年のセンバツ出場校が決まったが、優勝候補筆頭に挙げられるのは、大阪桐蔭(大阪)だ。前年優勝に導いたエース兼キャプテンの前田 悠伍投手(2年)を中心としたチームは、昨年の秋、明治神宮大会を制している。

 昨年は、夏の甲子園でベスト8の結果以外は主要大会で優勝しており、今年こそグランドスラムを狙っている。

 チームの中心である前田は、2年連続で明治神宮大会で胴上げ投手となった。しかし、相手チームが研究をしていたこともあり、近畿大会から打ち込まれる場面も見られた。現状は投手として全てが70〜80点でまとまりすぎているため、このセンバツから夏に向けては、何かねじ伏せられるものがほしいところだ。

 次は広島広陵(広島)だ。明治神宮大会決勝では、2年連続で大阪桐蔭との対戦になった。南 陽人投手(1年)から注目のスラッガーでもある真鍋 慧内野手(2年)が、2ランを放つなど一時は5点差をリードした。しかし、試合中盤以降は投手陣が大阪桐蔭打線に捕まり、逆転負けで優勝を逃した。このセンバツでは明治神宮大会の屈辱を晴らしたいところだ。

 次は仙台育英(宮城)だ。前年夏の甲子園を制し、このセンバツでは夏春連覇を狙う。仙台育英は、注目の選手でもある山田 脩也内野手(2年)を中心に攻め立てながら、エースの髙橋 煌稀投手(2年)や仁田 陽翔投手(2年)、湯田 統真投手(2年)といった複数の投手を擁する。比較的、打力よりも投手力が高いチームが有利になるセンバツでは、物量から見ても万全な仙台育英にも注目だ。

[page_break:長期間、全国の舞台で強さを見せる近畿勢]

長期間、全国の舞台で強さを見せる近畿勢

 この大会の注目はなんといっても近畿勢だ。

 過去9大会中、5大会でベスト4に複数の近畿勢が入った。2014、2016、2017、2018年の4大会では優勝している。強さは健在だ。2010年代半ばから現在まで「近畿勢の時代」が続いていると言っていいだろう。

下記が過去9大会の結果である。

(上から、優勝、準優勝、4強)

2014年
龍谷大平安(近畿)
履正社(近畿)
豊川(東海)
佐野日大(関東)

2015年
敦賀気比(北信越)
東海大四(現・東海大札幌=北海道)
大阪桐蔭(近畿)
浦和学院(関東)

2016年
智辯学園(近畿)
高松商(四国)
龍谷大平安(近畿)
秀岳館(九州)

2017年
大阪桐蔭(近畿)
履正社(近畿)
秀岳館(九州)
報徳学園(近畿)

2018年
大阪桐蔭(近畿)
智辯和歌山(近畿) 
三重三重(東海) 
東海大相模(関東)

2019年 
東邦(東海)
習志野(関東)
明石商(近畿)
明豊(九州)

2021年 
東海大相模(関東) 
明豊(九州) 
天理(近畿) 
中京大中京(東海)

2022年 
大阪桐蔭(近畿) 
近江(近畿) 
浦和学院(関東) 
國學院久我山(東京)

 これまでも圧倒的な強さを見せている近畿勢だが、今大会も昨年秋の近畿大会で準優勝の報徳学園(兵庫)、ベスト4の智辯和歌山(和歌山)と龍谷大平安(京都)といった名門校がセンバツ出場を決めた。

 さらに大阪府大会準優勝の履正社も出場を決めており、甲子園で優勝経験がある実力校が多く出場を決めた。センバツでは、これらの高校がベスト4以上に残っている状態になっても、不思議ではない。報徳学園は、その大阪勢の2校と対戦したが、履正社には打撃戦の末勝利。9対6と接戦となり、履正社の打撃力の高さが分かる試合となった。決勝の大阪桐蔭には、前田の前に完封負けを喫した。

 準決勝で智辯和歌山にも9対5と打撃戦を制した報徳学園は、楽しみなチームの1つである。その報徳学園に敗れた智辯和歌山は、打撃力の高さはもちろんのこと、複数の投手を擁している。投手陣が底上げされたら、大阪桐蔭の投手陣のように、さらに化ける可能性が高い。

 近畿勢が圧倒的に見られる中で、その他を見ると平野 大地投手(2年)を擁する専大松戸(千葉)や、実力がある東海大菅生(東京)の奮起にも期待していきたい。

 WBCで盛り上がる中、高校野球の球春到来にも注目だ。

(記事:ゴジキ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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