目次

[1]プロ野球選手を育てる機関ではなく、人として成長させたい
[2]ポニーリーグを選んでよかったと思われるように


 ポニーリーグでは、協会として球数制限、木製バットの使用など、同じ中学硬式野球界のなかでも、なかなか見られないあらゆる取り組みを進めている。

 「国の宝」である青少年の成長を守る。元プロ野球選手である広澤克実氏が理事長を務める協会が掲げる選手ファーストの精神に、多くの野球人が心惹かれて、加入チーム、選手が増え続けている。

 ポニーリーグにとっては嬉しい事実ではあるものの、野球界全体は依然として、競技人口の減少は大きな課題である。

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プロ野球選手を育てる機関ではなく、人として成長させたい



広澤克実理事長

 東京五輪を通じて多くの競技が脚光を浴び、子どもたちが選ぶスポーツは確実に増えた。少子化で子どもたちが減るなかで、野球を選ぶ確率が下がっている。野球界にとっては厳しい現実だ。

 ただ、元プロ野球選手であるとともに、元アスリートだった広澤理事長は「昔は野球かプロレスしか見るチャンスがなかったので、時代だと思います」と話すと、続けて野球だけが持つ他にはない魅力を語る。

 「野球というスポーツは、教育という観点において他のスポーツより秀でていると思うんです。ですので、私たちはプロ野球選手を育てる機関ではなく、野球を通じて人として成長させることを大事にしています」

 1人1人に役割が与えられ、チーム一丸として戦う野球の競技性を通じて、人間教育をさせていく。広澤理事長はポニーリーグでの3年間を通じて、技術以上に人としての器を育てることを掲げる。だからこそ、「勝利に執着した戦い方や、昭和のような厳しい指導はあってはならない」と強く主張する。

 間違えてはいけないのは「勝利を目指すな」と言っているわけではない。勝負事をやっている以上、選手たちは勝利を目指して練習をすると同時に、勝利を目指すことが日々の練習のモチベーションにもなっている。

 そんな選手たちを指導する大人たちが、必死になりすぎてしまうのが危ないのだ。
 「現場は勝利を目指して頑張るのはもちろんなのですが、それで練習のやりすぎやメンバーの固定化や、厳しい指導などやりすぎてしまうのが、トラブルに繋がってしまうので、協会でチェックして選手を守ることが課題だと思っています」