Column

新人王有力候補の剛腕など 2023年ブレーク期待の若手選手たち

2023.01.05

新人王有力候補の剛腕など 2023年ブレーク期待の若手選手たち | 高校野球ドットコム
創志学園時代の西 純矢

新人王最有力のオリックス宇田川優希

 2023年ブレークが期待できる選手の候補として、まず挙げられるのは、オリックスの宇田川 優希投手(八潮南出身)だ。

 大学時代から平均球速が140キロ中盤を記録するなど、ポテンシャルが見込める素材型の投手だった。

 プロ入り後はさまざまな指導もあり、現在では中継ぎとして常に150キロ台を出せる状態になった。2022年シーズン途中に支配下登録をつかみ、19試合に登板して、防御率0.81を記録した。

 さらに、ヤクルトとの日本シリーズでは7戦中4試合に登板。イニングを見ても、5.2回を投げて10奪三振で無失点、1勝2ホールドを記録するなど、日本一に大きく貢献。MVPを取ってもおかしくないレベルの活躍を見せた。

 中嶋 聡監督の投手運用を見ても、大事に登板数を増やしていく可能性も高いため、無理のない起用法にハマればリリーフ投手の課題である短命で終わる確率も低いと見られる。

 昨年の終盤の飛躍的な活躍を見ると、シーズンの実績は少ないものの、今年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に選ばれてもおかしくないだろう。

ブレークの兆しが見られた高卒4年目を迎える西純矢

 2019年に甲子園やU18を賑わせた阪神・西 純矢投手(創志学園出身)も注目だ。

 同世代のロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)やオリックス・宮城 大弥投手(興南出身)、ヤクルト・奥川 恭伸投手(星稜出身)は、高卒2年目から開幕ローテーションの一角を期待されて活躍した。宮城に関しては新人王、佐々木朗は完全試合達成と、世代間で見ても、トップクラスの投手が揃っていることがわかる。

 西は、23年中にも先発ローテーションを担う存在として期待大だ。高校時代は序列的に見ると奥川や佐々木朗の次なるポジションだったが、現在はそれ以上のポテンシャルを秘めている。

 スライダーを得意球としているが、フォークなどの落ちる球の精度をさらに上げていき、被打率をさげていけば、ローテーションとして担えるだろう。また、シーズンを戦い抜く体力さえつけば、エースになれる素材と見ている。

日本シリーズで劇的なホームランを放った内山

 日本シリーズで劇的なホームランを放ったヤクルト・内山 壮真捕手(星稜出身)も注目だ。中村 悠平捕手(福井商出身)というレギュラーがいながら、57試合マスクを被った。さらに打力もあることや高校時代は遊撃手も経験していることから、打撃面が先に成長していくとなると、他のポジションで出場させることもあるだろう。

 これはソフトバンクの栗原 陵矢外野手(春江工出身)や広島の坂倉 将吾捕手(日大三出身)が、捕手でありながらユーティリティーに守っていたこともあり、試す価値はある選手だろう。

 捕手としても成長させていきながら、26歳〜27歳ぐらいにチームの状況を考慮しつつ、固めていくのも一つの手段と見ている。

[page_break:じっくり大きく育てたい森木大智/巨人からはこの若手投手に期待]
新人王有力候補の剛腕など 2023年ブレーク期待の若手選手たち | 高校野球ドットコム
高知時代の森木 大智

じっくり大きく育てたい森木大智

 昨シーズンは高卒ルーキーながらも2試合に登板。2敗を喫したものの得たものは大きかったのではないだろうか。

 年齢的に見てもポテンシャルは非常に高いものがあり、楽しみな投手である。

 最速154キロの直球は球威十分で、スライダー、カーブ、スプリットの精度を高めて体力がつけば、西と同様にローテーションを張れるだろう。

 現在の阪神は投手陣の層が厚く、割って入ることは至難の業だが、ポテンシャルを含めて期待できる選手である。

巨人からはこの若手投手に期待

 巨人からは赤星 優志投手(日大鶴ヶ丘出身)や山﨑 伊織投手(明石商出身)、直江 大輔投手(松商学園出身)、堀田 賢慎投手(青森山田出身)、井上 温大投手(前橋商出身)に期待だ。

 特に、山崎や堀田は昨シーズン先発として登板はあったが、今年はトミージョンをしてから3年ほど経つため期待が高まる。

 さらに、昨シーズン開幕時に先発ローテーション入りしていた赤星に関しては、シーズン序盤の平均球速の速さを見ても、変に中継ぎなどで使わず先発一本で投げさせていくべきだ。

 シーズン終盤にプロ初登板を果たした井上に関しては、貴重な左の先発としての成長に期待していきたい。

(記事:ゴジキ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.24

東京国際大の新入生は、リーグ戦デビューの二松学舎大附の右腕、甲子園4強・神村学園捕手、仙台育英スラッガーら俊英ぞろい!

2024.04.24

【福島】田村、日大東北、只見、福島が初戦を突破<春季県大会支部予選>

2024.04.24

【佐賀】敬徳と有田工がNHK杯出場を決める<春季地区大会>

2024.04.24

【春季四国大会逸材紹介・香川編】高松商に「シン・浅野翔吾」が!尽誠学園は技巧派2年生右腕がチームの命運握る

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.21

【神奈川春季大会】慶応義塾が快勝でベスト8入り! 敗れた川崎総合科学も創部初シード権獲得で実りのある春に

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!