年々レベルが上がってきている地方大学リーグ。東北には仙台六大学野球連盟、北東北大学野球連盟、南東北大学野球連盟の3連盟があり、今年も各地で熱戦が繰り広げられた。3連盟の戦いぶりと来年の注目選手を紹介する。
仙台六大学は今年も「2強」が牽引

東北福祉大・杉澤 龍
仙台六大学は春秋ともに東北福祉大と仙台大の最終節で優勝が決まり、春は東北福祉大、秋は仙台大が制した。今年を含め10年連続で両校が春秋のリーグ優勝を分け合うかたちとなっており、「2強」の存在感が際立っている。
春は最終節の初戦を落とし後がなくなった東北福祉大が、崖っぷちからの2連勝で逆転優勝を果たした。連勝した2試合は計4本塁打が飛び出す一発攻勢。リーグ戦を通してもチーム計13本塁打を放った野手陣の実力が光った。中でも大暴れしたのが杉澤 龍外野手(4年=東北)。打率.550、4本塁打、14打点と圧倒的な数字を残し、仙台六大学史上5人目の三冠王に輝いた。
秋は仙台大が全勝優勝。全10試合いずれも2失点以下、チーム防御率は0点台と、投手陣が盤石だった。打線も派手さこそないものの、川島 優外野手(3年=山村学園)、平野 裕亮外野手(2年=山村学園)の1、2番コンビを中心に要所要所でつながりを見せた。明治神宮大会には2年連続で出場。今年主力だった3年生が多く残る来年はさらなる飛躍が期待される。
北東北は富士大、青森大、八戸学院大を中心に激戦

富士大・金村 尚真
北東北は、春は富士大が全勝優勝。3完投含む4勝を挙げた金村 尚真投手(4年=岡山学芸館)と、7試合に登板し防御率0.33をマークし、金村を抑えベストナインにも選出された中岡 大河投手(3年=広島商)を中心に、投手力で他を圧倒した。野手では不動の4番・須田 優真内野手(4年=聖光学院)が打率.450、2本塁打、14打点の活躍でMVP、ベストナイン、首位打者、最多打点の“4冠”を達成した。
秋は青森大がプロ注目投手を擁する富士大、八戸学院大を退け、9勝1敗で制した。タイトル獲得者こそ多くなかったものの、チームの総合力が上回ったかたちだ。投手陣では内山 透吾投手(4年=青森明の星)が軸となり、安定した投球を披露。優勝を決めた富士大戦では完封勝利をやってのけた。俊足巧打のリードオフマン・名原 典彦外野手(4年=瀬戸内)が引っ張った打線もここぞの場面での勝負強さがあり、接戦を勝ち切る底力を示した。