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プロ注目スラッガー擁する鹿児島城西ら3校が軸か 23年鹿児島を占う

2023.01.12

全国クラスのチームの台頭、待たれる

プロ注目スラッガー擁する鹿児島城西ら3校が軸か 23年鹿児島を占う | 高校野球ドットコム
注目される神村学園、鹿児島城西

 22年秋の九州大会に出場した神村学園鹿屋中央とも初戦敗退だったため、鹿児島勢の春センバツ出場はなさそう。2023年は春の県大会から全チームがしのぎを削ることになる。近年は甲子園での鹿児島勢の戦績は芳しくなく、県内での厳しいライバル争いをものにして、全国で勝てるチームの台頭が待たれるところだ。

 3月開幕予定の春の九州大会県予選は秋の優勝校・神村学園から鹿屋中央鹿児島城西国分中央れいめい徳之島鹿児島実樟南の順でシード校となる。神村学園以外は全て秋前の地区大会で優勝、上位の成績を残したシード校というのも珍しい。

 秋の県大会を振り返れば絶対的な優勝候補はいない。優勝争いのキャスティングボードを握りそうなチームとして神村学園鹿屋中央鹿児島城西の3チームを挙げる。

 秋を制した神村学園は「力がなくて弱いチーム」と小田 大介監督の辛口評価だが、「言われたことを忠実に実行しようとする素直さがある」。3回戦・鹿児島玉龍、準々決勝・れいめい戦は大量リードを1点差まで追い上げられ、決勝・鹿屋中央戦は3点ビハインドからの逆転勝ちと、不安定な内容だったが粘り強く勝ち抜いた。

 「弱さに向き合い、努力する」姿勢が勝利につながった。前チームからベンチ入りの今岡 歩夢内野手、秋元 悠汰外野手ら2年生に、上川床 勇希投手、正林 輝大外野手ら1年生大会を制したメンバーも活きが良く、伸びしろの大きさに注目したい。

 鹿屋中央は準決勝・鹿児島城西戦で0対6のあわやコールド負けから一挙9得点で逆転した集中打のインパクトが強い。夏の3回戦・川内商工戦で1対6の5点ビハインドから9回裏に逆転サヨナラ勝ちした3年生チームの遺伝子が新チームにも受け継がれている。投手もこなせるリードオフマン村山 源内野手(2年)、秋の大会で大当たりだった大坂 塁外野手(2年)ら好打者がそろい、投手陣では夏を経験した左腕・郡山 一心投手(2年)、板敷 風哉内野手(2年)、村山と3本柱があるのも心強い。

 秋の県大会前、「今年はダントツで勝つだろう」と予想されていたのが鹿児島城西だ。プロも注目する強打者・明瀬 諒介内野手(2年)、前チームからマスクをかぶる主将の黒川 虎太郎捕手(2年)、左利きの濱田 陵輔内野手(2年)ら実力者、経験豊富なメンバーを擁し、南薩地区大会決勝では神村学園を10対1で下した。

 夏、秋とも優勝候補の一角に挙げられながら、いずれも鹿屋中央の前に苦杯をなめた。戦力的には間違いなく県トップ、絶対的な優勝候補になれそうな潜在力はあるだけに、ここぞという試合をものにできる勝負強さを身に着けられるかがカギを握りそうだ。

 3強以外の注目校としては国分中央を挙げたい。霧島市の公立校だが21年秋4強、22年春準優勝、同夏、秋4強と4大会連続で4強入りしており、21世紀枠の鹿児島県推薦校に選ばれた。21、22年の鹿児島大島に続く公立校躍進候補の筆頭になりそう。秋11季ぶりに8強入りした徳之島は部員15人の小規模チームだが、「島から甲子園」の志を高く掲げ、こちらも鹿児島大島に続く夢実現を虎視眈々と狙う。

 鹿児島実樟南の伝統校2校は投手力の整備がカギになりそう。両校とも打線の力強さ、得点力は過去のチームとそん色ないだけに、核になるエースの台頭が求められる。北薩の雄・れいめいもリードオフマンの主将、砂田 龍馬捕手(2年)を中心に攻守に高いレベルでまとまっており、更なる上位進出できる力を秘めている。

 秋3回戦で神村学園に1点差で敗れた鹿児島玉龍だったが、左腕エース川畑 陽介投手(2年)は、この年代県内屈指の左腕に挙げられる。こちらも公立校で上位進出を十分狙える力は秘めている。明桜館・串木野・川薩清修館の合同チームは、秋2勝してベスト16入り。夏の頃から合同練習を十分に積んでおり、注目チームに挙げておく。枕崎は右腕・宮田 一平投手(2年)をはじめ好投手がそろう。

 秋は枕崎に初戦敗退だった鹿児島大島だが、地元奄美で開催した招待野球では愛工大名電(愛知)に引き分け、鹿児島実に勝利した。春は一味違ったチームになりそうだ。

(記事:政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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