Column

沖縄尚学の九州制覇、興南・生盛が世界の舞台で躍動!沖縄の高校野球3大ニュースを発表!

2022.12.28

 2022年も終わりを迎えようとしている。1、2年前に比べると、沖縄県のコロナ禍状況もだいぶ和らいできており、今年は各スタジアムに観客の姿が多く見られたと思う。沖縄尚学の九州地区高校野球大会優勝をはじめ、筆者が個人的に思った沖縄県の高校野球3大ニュースを取り上げてみよう。

沖縄尚学17季ぶり5度目の九州制覇!

沖縄尚学の九州制覇、興南・生盛が世界の舞台で躍動!沖縄の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
秋季九州大会では沖縄尚学が優勝

 やはりなんと言っても今秋の沖縄尚学の快進撃だ。新チームに移行しての新人中央大会では準決勝でライバル興南と対戦し1点差の惜敗。そこから打倒興南を掲げた。秋季の県大会で共に勝ち進めば準決勝でぶつかる山。興南を倒せば自動的に九州地区高校野球大会への切符が手に入る。それまで10イニング連続無失点どころか、1本のヒットさえも許していない興南平山 航多投手(2年)の攻略なるかが焦点だったが、沖縄尚学打線はあっという間に平山を攻略。なんと8-1のコールドゲームにしてしまった。決勝戦も近年上位に食い込んでくる日本ウェルネス沖縄が相手だったが、前半で一気に逆転すると2ケタ得点を奪い完勝。見事1位校で通過した。

初戦で波に乗ると2試合連続サヨナラ勝ち

 九州地区高校野球大会では派手なスタートを切った沖縄尚学。初戦の鳥栖(佐賀)戦では、知花 慎之助外野手(2年)が挨拶代わりにと1回先頭打者本塁打をマーク。知花は第2打席でもアーチを描き沖縄尚学打線を鼓舞する。主砲・仲田 侑仁内野手(2年)にも一発が飛び出すなど、チーム全体で5本の長打。ランナーを三塁に置いて3本の犠牲フライと勝負強さも発揮し11安打8得点。投げてはエース東恩納 蒼投手(2年)が鳥栖打線から14奪三振をマークし2失点完投。これ以上ない幸先の良いスタートを切った。

 ここで敗れたらセンバツの切符がなくなる準々決勝。相手は1年前のセンバツで堂々の準優勝、今年の全国高校野球選手権大会でもベスト16入りの強豪・明豊(大分)とあって、県勢ファンは祈るような気持ちで試合を見つめた。

 2回、4回と東恩納の2打席連続適時打で2対0と理想的な展開で迎えた5回に、まさかの代打同点2ランを許す。6回、7回、8回とお互いゼロが続く緊張感にこちらは押し潰されそうな思いだ。9回表、相手の攻撃を三者凡退に斬った東恩納。その良い流れを持ったまま9回裏の先頭打者として打席に向かうと初球をたたき左前へ。これで俄然有利に立った沖縄尚学は犠打のあと、主将・佐野 春斗内野手(2年)が見事に左前へ弾き返す。二塁から東恩納が一気に生還し、劇的なサヨナラ勝ち。3年前の秋、3対3の同点から8回に3点をもぎ取り、勝利を確信するとともにセンバツ切符が近付くベスト4進出が見えたと思った9回に4点を奪い返され敗れた明豊戦の苦い思い出を拭い去ることができた。

 準決勝戦は長崎海星(長崎)。3点を先制したが6回にひっくり返される。しかし7回1点差に迫ると9回裏、またしてもトップの知花が安打で出塁すると犠打と死球で一、二塁。4番・仲田が安打で繋ぐと5番に抜擢された東恩納が粘った9球目を右前へ運び2試合連続サヨナラ勝ち。スタンドに駆け付けた大勢の県民から割れんばかりの拍手が起こった。

 完全に波に乗った沖縄尚学は、決勝の長崎日大(長崎)戦でも7回に逆転するとそのまま逃げ切り。見事17季ぶり5度目の九州制覇を成し遂げたのだった。

[page_break:興南生盛亜勇太がU-18代表、そして活躍/沖縄県高等学校野球連盟史初の連合チームベスト8入り]

興南生盛亜勇太がU-18代表、そして活躍

沖縄尚学の九州制覇、興南・生盛が世界の舞台で躍動!沖縄の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
生盛 亜勇太(興南)

 全国高校野球選手権沖縄大会でライバル沖縄尚学を下して甲子園出場を決めた興南。エース生盛 亜勇太投手(3年)は、1回戦の市立船橋(千葉)戦で9回裏サヨナラ負けを喫したが、第30回 WBSC U-18ベースボールワールドカップU-18監督の馬淵 史郎氏から招集をかけられる。以下は生盛のU-18での登板試合だ。

8/30 立教大 先発 3回1失点
9/3 早稲田大 延長タイブレークで登板し3ラン被弾

9/9 イタリア 先発し3回無失点
9/12 オーストラリア 先発し2回無失点

チームはチャイニーズタイペイに負け4勝1敗でファーストラウンドを終える

9/13 韓国 中継ぎ 2回無失点 チームは負け

その後チームがオランダに勝つ。

9/18、19 チームは米国に継続試合でサヨナラ負け→3位決定戦へ

9/19 韓国 大事な試合で先発し3回無失点。代表では初めてとなる4回にもマウンドへ上り、2ランを被弾するもゲームをしっかり作った。

生盛のWBSC成績
4試合11回42打者7安打13奪三振3四死球2自責点、1勝(3位決定戦)

 侍ジャパンU-18は、2017年の第28回大会以来2大会ぶりとなる3位。先輩・宮城 大弥投手(現オリックス)の5位を上回った生盛。「大阪桐蔭の川原君や近江の山田君など間近で凄い人たちを見たら、僕はまだまだと思った。大学を経てもっと強くなってプロへ挑戦したい」。4年後のドラフト会議が楽しみである。

沖縄県高等学校野球連盟史初の連合チームベスト8入り

沖縄尚学の九州制覇、興南・生盛が世界の舞台で躍動!沖縄の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
久米島・南部商連合の仲村龍太(久米島)

 春季県大会で久米島・南部商連合チームが旋風を巻き起こした。1回戦が不戦勝となり迎えた2回戦、3番・平良一綺南部商)の適時打などで2点を加えると4回には下位打線でもう2点を加え前半で5対1と首里東を圧倒。7回にも3番・平良が二塁打とランニングホームランを記録するなど一挙9点を奪い、なんとコールド勝ち。3回戦の普天間との戦いでは、さらに打線が爆発する。

 初回、いきなり平良の2点適時二塁打などで3点を先制。5回にも9番・與座響之佑南部商)の適時打と平良の犠牲フライなどで3点を追加。6回にも適時二塁打を放った平良は、この日5打点の活躍。2年前の春、連合チームとして沖縄県高校野球連盟史上初のベスト16入りした開邦・南部農・辺土名・真和志連合チームの成績を上回り、全ての公式戦を通じて連合チーム初のベスト8入りを決めた。

 準々決勝では名門沖縄尚学の前に0対10で敗れ去ったがたった13人、しかも離島である久米島からとは思えないチームワークの良さが光った堂々たるものであった。

(記事:當山 雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.27

青森山田がミラクルサヨナラ劇で初8強、広陵・髙尾が力尽きる

2024.03.27

【福岡】飯塚、鞍手、北筑などがベスト16入り<春季大会の結果>

2024.03.27

【神奈川】慶應義塾、横浜、星槎国際湘南、東海大相模などが勝利<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.28

大阪桐蔭、大会NO.1右腕に封じ込まれ、準々決勝敗退!2失策が失点に響く

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.24

【神奈川】桐光学園、慶應義塾、横浜、東海大相模らが初戦白星<春季県大会地区予選の結果>

2024.03.23

【東京】日本学園、堀越などが都大会に進出<春季都大会1次予選>

2024.03.27

報徳学園が投打で常総学院に圧倒し、出場3大会連続の8強入り

2024.03.22

報徳学園が延長10回タイブレークで逆転サヨナラ勝ち、愛工大名電・伊東の粘投も報われず

2024.03.08

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.03.11

立教大が卒業生の進路を発表!智弁和歌山出身のエースは三菱重工Eastへ、明石商出身のスラッガーは証券マンに!

2024.03.23

【春季東京大会】予選突破48校が出そろう! 都大会初戦で國學院久我山と共栄学園など好カード

2024.03.01

今年も強力な新人が続々入社!【社会人野球部新人一覧】