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イヒネが1位指名、愛工大名電が夏甲子園8強!今年も話題を集めた愛知の高校野球3大ニュースを発表!

2022.12.25

愛工大名電が、準優勝経験校を相次いで下して夏の甲子園でベスト8進出

イヒネが1位指名、愛工大名電が夏甲子園8強!今年も話題を集めた愛知の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
有馬(愛工大名電)

 甲子園には出場を果たすけれども、なかなか夏の甲子園では勝ちきれないといわれ続けていた愛工大名電。しかし、この夏は、そんな周囲の声をうっちゃるかのようにしっかりと実績を残した。

 この夏の愛工大名電の甲子園での戦いぶりは、甲子園でも実績のある学校を相次いで下していったということでも評価された。

 初戦では3年前の全国準優勝校でもある北陸の雄・星稜(石川)に対して14対2と、接戦の予想に反しての大勝利だった。初回と2回に5点ずつ奪うなど打線が大爆発。注目のマーガード 真偉輝キアン投手(3年)を完全攻略した。

 2回戦では、東北の有力校で2011年夏から3大会連続準優勝の実績がある八戸学院光星(青森)に対して、7回までに4点リードされていたのを一気に追いつき延長に持ち込んだ。そして、10回に無死二、三塁から美濃 十飛外野手(3年)が三遊間を破ってサヨナラ勝ちした。

 3回戦でも春の準優勝校でもある明豊(大分)に対して序盤からリード。有馬 伽久投手(3年)がそのリードをキープして6安打2失点に抑えて完投。こうして、工藤公康投手を擁した1981年以来(名古屋電気時代)、41年ぶりにベスト8に進出した。

 準々決勝では、結果的に大会制覇を果たす仙台育英(宮城)に、序盤からリードされて屈したものの、この夏の愛工大名電の8強進出は、いずれも近年、甲子園での決勝進出を果たしている学校を相手にしてきたものだけに、大いに価値があった。

[page_break:夏の選手権大会で、全国で最初の継続試合適合となる]

夏の選手権大会で、全国で最初の継続試合適合となる

 今年から、日本高野連は甲子園での試合に関しては継続試合とするということを発表した。それに伴って、全国の地区大会では、雨天中止となった場合に、各都道府県高野連の判断によって、継続試合とするか、再試合とするかということを選択できることとなった。

 参加校も多いということもあって、夏の愛知大会は他地区に先んじて7月最初の週末から開催されるのだが、この時期は例年、まだ梅雨入りの最中ということもあって雨にたたられることも多く試合が中断、中止となるケースも多い。

 継続試合を導入した愛知県高校野球連盟だったが、その適合となる試合が大会2日目で起きた。7月3日の[stadium]豊田市運動公園野球場[/stadium]で行われた第1試合「刈谷工科明和」の試合だった。台風4号の接近で朝から天候がすぐれなかったが、雨が降っていなかったということで、予定通り9時にプレーボール。しかし、天気予報通りに雨が落ちてきて、2回裏の明和の攻撃終了時に中断。再開したものの、4回裏終了で再び中断。この段階で「刈谷工科6対3明和」だった。

 そして、もう1度再開したが、6回明和の攻撃、1死走者なしというところで3度目の雨。ここからは大雨になってしまい、そのまま中止となり継続試合が告げられた。

 ただ、日程の都合上、継続試合は1週間後の9日に同球場の第3試合に組み込まれた。そして、その継続試合は、再開すぐに明和が積極的に攻めて、その回に3点を奪って同点に追いつく。さらに、7回にも1点を奪い明和が逆転。

 適合は、全国で最初だったが、それから1週間を経ての結果が出たというところも、継続試合の今後をどうするのが適切な対応になっていくのか、ということも考えさせられた試合でもあった。

 ちなみに、その間に期末試験を終えるなど、学校行事も入っていたということだった。継続試合は守りから入るほうが戦いやすいのか攻撃から入るのが戦いやすいのかとか、いろいろ考えさせられる試合でもあった。

 そういう意味からも、全国で一番最初の適合となった継続試合は大いに意味があった。ただし、最初に結果が出たのは翌日試合を行えた他県だった。

[page_break:誉のイヒネ・イツア選手が、ソフトバンクから同校初のドラフト1位指名を受ける]

誉のイヒネ・イツア選手が、ソフトバンクから同校初のドラフト1位指名を受ける

イヒネが1位指名、愛工大名電が夏甲子園8強!今年も話題を集めた愛知の高校野球3大ニュースを発表! | 高校野球ドットコム
イヒネ(誉)

 今ドラフトで、愛知県出身の高校選手としては、イヒネ イツア内野手がソフトバンクから1位指名を受けた。愛知県の高校生が1位指名を受けたのは、一昨年の髙橋 宏斗投手(中京大中京出身)、その1年前の石川 昂弥東邦出身)と、地元球団の中日からの指名が続いていたが、今回は九州福岡のソフトバンクからの1位指名だった。しかも、ドラフト前に早々に球団から1位指名を公表されてのものだった。

 イヒネは2004年(平16)9月2日生まれで、両親はナイジェリア人。軟式野球の東山クラブを経て、小牧市のへ進学。184センチ、83キロの右投げ左打ち。50メートル走6秒2、遠投100メートルと、潜在能力は非常に高い。当初は外野手だったが2年時から遊撃手に転向してからその能力をさらに発揮し始めた。矢幡真也監督も、「5月の段階で全球団からご挨拶に来ていただいて、ビックリしました」というように、多くの球団がその能力の高さに魅力を感じていたようだ。

 プレースタイルとしては、試合前のキャッチボールやシートノックでのボール捌きなど、一つひとつの動作でも存在感を示した。さらには、圧倒的な魅力を示したのがベースランニングで、長打を放った際のベースを蹴ってからの加速は素晴らしい。そういった部分も含めて評価されたのだろうが、ソフトバンクでは攻守に一時代を形成した今宮 健太内野手(明豊出身)がいるが、その後継者としての期待も高まる。

(記事:手束 仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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