秋季東海大会準優勝の聖隷クリストファーがセンバツ選出から漏れる

2021年の秋季東海大会で準優勝をおさめた聖隷クリストファー
この春の第94回選抜高校野球大会の出場校が発表され、全国的にも最も話題になって、論争にもなったのが、東海地区の2校目の選出だった。
センバツ出場校選考の重要な参考資料となる前年の秋季東海地区大会は静岡勢同士の決勝となった。県大会決勝の再戦となったが、県大会同様に日大三島が聖隷クリストファーを下した。それでもこれで、東海地区の2枠としては日大三島は内定、聖隷クリストファーもほぼ確定というのが大方の見方だった。
ところが、いざ発表を迎えると、準決勝で日大三島に敗退した大垣日大が「両校を比較して、甲子園で勝てるチームとして力がある」ということで2校目として聖隷クリストファーを抑えて選出された。このことが、大きく問題となって、「選抜の選考基準が曖昧」とか、「密室の選考会の実際のところが見えない」などの声も上がってきた。「地域性で静岡2校を避けた、ということであればまだ納得できた」というような意見もあったという。そうしたことが報じられて、社会的な問題にもなるくらいに取り上げられていった。一部では、「聖隷クリストファーを甲子園へ出場させよう」という署名運動まで起きたくらいだった。
もっとも、そのことで選考結果が変更されることはなかった。
大垣日大は、センバツでは初戦こそ21世紀枠で出場した只見(福島)に快勝したが、2回戦では星稜(石川)に敗れた。それでも、初戦突破を果たしたことで、何とかその責務は果たしたといってもいいであろうか。
センバツに選出されなかった無念さを何とか夏には自力で勝ち上がって晴らしたいという聖隷クリストファーだった。しかし、静岡大会準決勝で静清に屈して春夏通じて初の甲子園出場という悲願達成はならなかった。