今年の夏は「商業高校サマー」になるかもしれない。「〇〇商」という校名だけで、なんとなく甲子園で強いイメージを抱くのは自分だけではないと思う。実際に古豪、強豪チームに商業高校は多い。今年は、私のようなオールドファンを楽しませてくれる大会になるかもしれないと期待している。各県で「〇〇商」がちょっとした強さを見せているのだ。

 その筆頭は愛媛の古豪、松山商。夏の甲子園は26回出場、センバツも16回出場している。夏の優勝は5回、センバツでも2回優勝の経験がある。しかし、2001年以来、夏の甲子園に出場できていない。愛媛では近年、宇和島東済美今治西西条と強豪がひしめく県となっていて、伝統ある松山商はもう20年以上も夏の聖地に足を踏み入れていない。それが今年は「復活」の可能性を高めている。

 昨年秋の県大会は8強に甘んじたが、今年の春は優勝を遂げた。準々決勝で今治工を11対3で快勝すると、準決勝で松山学院に8対6、決勝は松山聖陵に5対3で逆転勝ちして頂点に立った。夏の戦い方が復活しているようにもみえる。大いに期待できそうだ。

 春季四国大会に進んだ松山商は初戦で香川の高松商と対戦した。0対7の完敗だったが、この2校の商業高校対決はオールドファンにはたまらない組み合わせとなった。高松商は最近も力をつけており、今年のチームも浅野 翔吾外野手(3年)という両打ちのスラッガーがいて、プロも注目している。甲子園での対決となれば、また盛り上がるだろう。



春季千葉県大会準優勝の銚子商

 松山商だけでなく、全国でも今年好成績を収めている商業高校は多い。北からいくと、秋田商(春優勝)、銚子商(千葉=春準優勝)、津商(三重=春優勝)、高岡商(富山=春優勝)、県立和歌山商(春準優勝)、高松商(香川=春準優勝)、徳島商(春優勝)、佐賀商(春準優勝)と、復活組もいれば、常連組もいる。松山商も入れると、春優勝もしくは、準優勝したチームは9チームとなる。春は力は出せなかったが昨年秋に優勝したチームでは八幡商(滋賀)広島商鳥取商がいる。これが勢ぞろいすれば…。なんていうのも夢ではないかもしれない。

 昨年秋と今年の春に県で8強以上の成績を収めた商業高校(校名は〇〇商)は全国で39校ある(1県複数あり)。そのなかで一番夏甲子園から遠ざかっているのは愛知商で出場すれば1950年以来、72年ぶりとなる。ついで県立和歌山商の1957年以来、65年ぶり。尾道商(広島)の1958年以来64年ぶりと続く。半世紀以上ぶりの夏甲子園出場となれば地元は大いに活気づくだろう。

 何度も繰り返すが、今年の夏は懐かしい名前を耳にできるかもしれない。

(文=編集部)