目次

[1]自主練習が大きなカギ
[2]選手たちは自分からできると暗示をかけるようになる

選手たちは自分からできると暗示をかけるようになる



木更津総合ナイン

 「足りないところとかは自分たちで考えられるので、ここでこうしたらいいだろうと試合中に考えられるので、いいと思います。自分は投球フォームであったり、変化球はココで曲げるとか曲がり幅とか、いろいろ考えながらやっていました」

 そうすると、自分に自信が持てる。次第に選手たちは「自分たちは夏に強い」という暗示をかけているという。

 「夏にかけて大丈夫だろとみんな言ってますし『できるよ、できるよ』という上げていく言葉も飛び交います。その辺はそれぞれ、動揺したら相手に押されるというのはみんな知っているので春までの経験がありますので、夏はそれが発揮できたうえで強い木更津総合ができます」

 春の県大会は3回戦敗退となったが、夏では準優勝。その戦いぶりは非常に力強かった。またメンバー登用の仕方も木更津総合らしい。木更津総合は五島監督の方針上、実力+人間性が備わって、ベンチ入りができる。春、夏と先発、リリーフでベンチ入りした右サイドの神子 史温が台頭したが、五島監督曰く「苦労人で申し分ない人間性と練習試合で着実に結果を残した」ことがベンチ入りにつながり、ラストシーズンの活躍につながった。

 「夏に異常に強い」木更津総合は、これまでOBや、結果を残す選手たちを観察して分かったのは、「必ず強くなる魔法」はない。彼らに共通するのは、自立した選手が多いこと。山下だったり、東北楽天で活躍する早川 隆久も大学生とは思えないぐらいの思考力、自主練習を毎日続けていけるだけの心の強さがあった。また木更津総合では公式戦Oだった18年の主将・比護 涼真も関東学園大に進学し、昨秋は5試合に出場するなど、着実にレベルアップしている。比護のプレースタイルもカバーリング、バックアップを全力で行う模範的な動きをしていた。

 自分の課題を自分で向き合って成長する時間を必ず設けたことで、夏の強さ。そして高校を卒業しても多くの先輩たちが活躍している。

 この環境が続く限り、令和でも木更津総合は千葉をリードしていく学校であることは間違いない。

(取材・文=河嶋 宗一