コロナ禍とはいえ、秋季大会は東海4県すべてで予定通り開催することが出来た。また、東海地区大会も、無観客という形ではあったものの、予定通りに国体リハーサル大会として三重県で終えることが出来た。そんな秋季大会から、来季の躍進が期待されるチームを拾ってみた。(文/手束 仁

東海大会4強入りを果たした岐阜第一


 岐阜県では、福知山成美で春夏合わせて6度甲子園へ導いた実績のある田所孝二監督が就任して5年の岐阜第一が一推しだ。近年4強の常連となっているのだが、この秋は全国的にも注目されていて来春のドラフト候補とも言われている阪口 樂君を擁して、東海大会ベスト4に進出。さらなる期待が高まっている。

 かつて岐阜短大付時代には、夏の甲子園ベスト4の実績もある岐阜第一。過去、春4回、夏2回という甲子園出場実績がある。ただ、2001年春を最後に甲子園から遠ざかっている。折しも、そこから20年を経て、田所監督を招聘して5年目。この秋も県大会3位で東海地区大会進出を果たすと、松阪商と静岡県1位の藤枝明誠を下してのベスト4。準決勝では同県対決となった県立岐阜商に敗れたものの、チームとしての力は示した。

 その原動力となっているのが投打でプロからの注目も高い阪口 樂君だ。186センチ87キロという恵まれた体格で力のあるストレートを投げ込んできてスタミナも十分だ。そして、投手以上に魅力的だと言われている打撃は、今年1年対外試合が少なかったにもかかわらず高校通算15本塁打というパンチ力を有している。東海大会ではマークも厳しく無安打だったものの、そのことで自身の弱点も見出したことで冬の努力課題も見えてきたと言っていいであろう。また、1番岡本海透君もパンチ力があり、松阪商戦ではスタンドへ放り込むパワーも見せている。

 学校としては女子野球部も創部しており、元女子プロ野球に所属していた小久保志乃監督を招いて実績を上げてきている。